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岩清水V弾で雪辱!なでしこ初の金メダル

[ 2010年11月23日 06:00 ]

<女子サッカー決勝 北朝鮮・日本>後半28分にヘディングでゴールを決める岩清水

 なでしこジャパンが初優勝を飾った。サッカー女子日本代表は22日、広州アジア大会決勝で北朝鮮と対戦し1―0で勝利した。後半28分に右CKからDF岩清水梓(24=日テレ)がヘディングで先制点。このリードを守りきった日本が、06年大会決勝で敗れた北朝鮮を倒し同大会初の金メダルを獲得した。また、3位決定戦では韓国が中国を破り銅メダルを獲得した。

【試合結果
広州アジア大会


 4年越しのリベンジだった。日本へのブーイングがわき起こる中での1点を争う攻防。0―0で迎えた後半28分、MF宮間が蹴った右CKにニアへと入っていったのが岩清水だった。「ボールが来るとは思わなかった。感触も触っただけ」。頭でこすったシュートがゴール左に吸い込まれる。06年大会も出場していた24歳の一撃が、なでしこジャパンを初のアジアの頂点へと導いた。
 悔し涙が力に変わった。06年大会決勝で対戦したのも北朝鮮。死闘の末にもつれ込んだPK戦で、1番手として登場した沢はシュートを外して号泣した。「自分はあのときPKを外してしまった。決勝で前回のリベンジをしたい」。あれから4年。国際Aマッチ出場数が「160」にたどり着いたこの一戦は、背番号10にとって待ち望んだ舞台だった。
 9日間で4試合をこなす過密日程に、32歳の沢の体は悲鳴を上げていた。両足の内転筋に痛みを抱え、決勝への出場は危ぶまれていた。試合前のウオーミングアップ時にも、佐々木監督はギリギリまで代わりの選手を用意していた。しかし、最後は沢自ら「行きます」と指揮官に言い切った。全4試合390分にフル出場。「終わった瞬間はいろんな思いがあって感極まっちゃった。金メダルって重いね」。4年前の責任を感じていた背番号10がやっと呪(じゅ)縛から解き放たれ、これ以上ない笑顔を振りまいた。

 全4試合を無失点に抑えてのアジア大会を初制覇。日本にとって、次なる舞台は来年6月に開幕する女子W杯となる。「まだ足りないところはあるし、選手たちには次は世界のチャンピオンを目指して頑張ってほしい」と佐々木監督。アジアNo・1に輝いたなでしこジャパンが、今度は世界の頂点を目指していく。
 ◆岩清水 梓(いわしみず・あずさ)1986年(昭61)10月14日、岩手県生まれの24歳。中学時代の99年に日テレの下部組織NTVメニーナ入りし、03年にトップ昇格。なでしこデビューは06年2月18日ロシア戦。06年アジア大会、07年女子W杯、08年北京五輪出場。1メートル62、54キロ。血液型A。

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2010年11月23日のニュース