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上位が大混戦…フランスリーグで下克上!?

[ 2010年11月23日 06:00 ]

 フランスリーグは第14節の3試合が21日に行われ、リールがモナコを2―1で下し、得失点差で今季初めて首位に立った。昨季王者マルセイユなど優勝候補のもたつきが目立つ今季は勝ち点2差に上位8チームがひしめく史上空前の大混戦。Jリーグは名古屋が独走で初優勝を決めたが、優勝争いはやっぱり激しくないと面白くない!?

 名門モナコを破ってリールをフランスリーグ首位に導いたガルシア監督が、しみじみと語った。
 「状況は2、3週間ですぐに変わるもの。われわれは5位以内という目標を目指していくだけ」
 浮かれることなく気を引き締めるための言葉。無理もない。前節首位ブレストは1試合敗れただけで6位へ急降下。1試合で順位が入れ替わる可能性がある勝ち点2差に8チーム、連敗で並ばれる可能性がある勝ち点6差まで範囲を広げると13チームの争いだ。今節だけでも瞬間的に首位が3度も交代。“一寸先は闇”の戦国リーグとなっている。
 いったんは優勝争いをリードした昇格組ブレストは24年ぶり、サンテチエンヌは28年ぶり、レンヌにいたっては40年ぶりの首位浮上という下克上。背景にあるのが優勝候補の不振だ。バランシエンヌのモンタニエ監督が「W杯で選手が燃え尽き、強豪の苦戦が続いている」と分析した通り、過去3季でタイトルを分け合ったリヨン、ボルドー、マルセイユは開幕から1度も首位がない。一時降格圏の18位に沈むなど過去13年で最悪のスタートを切ったリヨンはこの日、ランスに逆転勝ちして8位。経済危機の影響もあって、健全経営から昨季収支で赤字に転落するなど経営面でも苦戦を強いられる中、FWブリアンは「出遅れを取り戻すため黙々とやるだけ」と訴える。
 トゥールーズのサドラン会長は放送権収入の公平な分配をリーグの利点に挙げ「金融市場のような競争がなくてハッピーだ」と笑ったが、競争力低下による地盤沈下を指摘する声もある。リバプールで駐在スカウトを務めるビオー氏は「レベル低下がないと言えばウソになる。際立ったタレントが少なく、特に今季は飛び抜けた選手があまりいない」と発言。フランス代表のブラン監督は国内リーグに限らず代表を含めても「偉大な選手がいなくなった」と嘆く。
 レベル低下と大混戦の関連性はさておき、確かなことが1つ。フランスリーグの上位争いは熱い。

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2010年11月23日のニュース