【安田記念】リーチザクラウン悲願Vへパワフルな走り

[ 2010年6月3日 06:00 ]

<安田記念・追い切り>坂路を駆け上がるリーチザクラウン

 春のマイル王決定戦「第60回安田記念」の最終追いが行われた。西で東でG1奪取に燃える“銀メダリスト”が好ムード。昨年のダービー2着馬リーチザクラウンは栗東坂路でパワフルな走り。復活Vを飾った前走・マイラーズCで適距離を探し当て、悲願成就に燃える。

 先週のダービーはローズキングダムで首差2着。ダービー4度目の2着に泣いた橋口師だが、その手腕は称賛されていい。週初めにザ石が判明、出否すら危ぶまれていたキングダムをここまでの状態に仕上げたのだ。今週こそ、昨年のダービー2着馬リーチザクラウンでG1タイトルを手にしたいところだ。
 最終追いは安藤勝が騎乗しての坂路単走。まずまずの脚さばきで4F52秒1をマークしたが、橋口師は辛口だった。「しまいは13秒0で時計が遅い。自分のイメージとは違った。1頭だと闘志を燃やさないのかな」。先週、併せ馬で猛時計(50秒9)をマークした動きに比べると、迫力の点で見劣るのは確かだが、手綱を取った安藤勝は気にしていない。「時計の掛かる時間帯だったからね。前走の追い切りでは馬がダラーッとしていてこれで大丈夫かと思ったけど、今回は行く気があったから」と話すように、出来落ちの心配は全くしなくていい。
 動きには不満げの師も、3歳時のきさらぎ賞以来、久々の勝ち星をマークした前走の走りは手放しで評価した。
 「前走(マイラーズC1着)でこの距離で結果を出しているからね。この馬は最初の1Fは普通なのに、他馬のポジションが決まる2F目にスピードに乗っていく。ここでどれだけ我慢できるかが鍵。マイルだと馬とケンカをする時間が短いのもいいな」
 この馬とのコンビで2戦2勝の安藤勝も「我慢の利く競馬をしてくれると思う。デビューしてからずっと期待をされてきた馬だし、G1を勝たせてやりたい」と好位2、3番手で折り合う展開を描いている。
 適した条件を追い求めて回り道はしたが、ようやくたどり着いた「マイル」の舞台。辛酸をなめ続けた経験が肥やしになってようやくここで花が開く。

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2010年6月3日のニュース