【ダービー】エイシンフラッシュはパドックからまぶしかった

[ 2010年6月3日 15:44 ]

ダービーのパドックで絶好の気配を漂わせていたエイシンフラッシュ

 “ウマドル”桜井聖良が、競馬の祭典日本ダービーに突撃取材。7番人気という低評価に反発し、まさに閃光のような末脚を繰り出し優勝したエイシンフラッシュ。皐月賞から「この馬は強い!」と注目し続けた桜井が第77代ダービー馬の素顔に迫った――。

エイシンフラッシュが持つディープ、ウオッカとの共通点(競馬 .

【ダービー】フラッシュ戴冠!ウチパク「感無量」(競馬)

 5月30日。約8000頭の中から運と実力を兼ね揃え選び抜かれた3歳馬17頭が東京競馬場に集結しました。東京優駿(日本ダービー)。史上空前のハイレベルと目された3歳の頂点を決めるレ―スで頂点に輝いたのはヴィクトワールピサでもペルーサでもなく、上がり3F32秒7という究極の末脚を繰り出したエイシンフラッシュでした。

 そう!このお馬さん!皐月賞で「このお馬さんは強い!!」と注目し取材をさせていただいたお馬さんです。私も心から嬉しくて感動して、担当の久保調教助手の姿を見た瞬間、「久保さん!!!おめでとうございます!!」と駆け寄っちゃいました。踊る心を落ち着かせて突撃インタビューしてきました!

―パドックを見てびっくりしました!踏み込みが力強くて!パッと見は大人しく映りましたが、内に秘める闘志がものすごくて、気持ちが前へ向いているなという印象でした。

久保「そうなんですよ!大人しく見せてるけど、馬自身がかなりやる気がでしたからね。踏み込みも前は爪1つ、2つ、3つ分くらいだったのが今では4つ、5つ分くらいグイッと前へ前へ力強くなってくれました」

―実際、本番ではシビれる走りっぷりでしたね!

久保「ゲートまで一緒に行き、スタートしてからはスクリーンを見ながら走り、ゴール板前で見ていました。4コーナーを回ってきた辺りから熱くなりましたね。ゴールした瞬間、フラッシュとの今までのことをたくさん思い出し涙が溢れてきました」

―共に苦楽を乗り越えつかみ取った優勝ですもんね(泣)レース後のフラッシュはどんな感じでしたか?

久保「あれだけの走りをしてくれたので、少し疲れが見られました。なので脚はしっかり冷やしています。でもニンジンを欲しがって馬は元気ですよ。ニンジン大好きなんですよ」

―フラッシュはニンジン大好きなんですね!

久保「ニンジンを持たず馬房に入ろうとすると、顔で僕を押し付け廊下に出して(馬房に)入れさせてくれません。ニンジンを持っていると素直に入れてくれるんですけどね。僕のことをニンジンをくれる“ニンジンおじさん”と思っているんじゃないのかな(笑)」

―ニンジンが馬房への入場チケットみたいな感じですね(笑)少し振り返ります。皐月賞前のエイシンフラッシュを教えてください。

久保「皐月賞の前は馬が大人しすぎて大丈夫かな?と思いました。攻め馬を積んでいる割には大人しくて。もちろん無理をさせない程度にやっていましたけどね。だけど最後はしっかり調整が出来ました」

―順調にきている馬たちを差し置いて、休み明けでいきなり皐月賞3着。あれには私もびっくりしました!

久保「馬が大人しくて大丈夫かな?なんて思っていたのにあんな強い競馬をしてくれて。皐月賞で“この馬の能力はやっぱりすごい”と実感しました」

―そして休み明けの皐月賞から中5週でのダービー。この中5週でのエイシンフラッシュの変化と成長はいかがでしたか。

久保「皐月賞後はそこまで馬が疲れていなかったので、早めに始動しました。プールと角馬場を併用し、抜くこともしつつうまく調整が進みましたね。1週毎に気合乗りもしてきて、15-15の後はいい意味でピリピリとやんちゃなフラッシュへと変わっていきましたよ。こちらは馬に(レース前と)意識させない為にも平常心で調教などをしていましたが、馬が先に察知していたようで本当賢い子です。そして何よりトモが成長したのが大きいですね」

―普段はどんな子ですか?

久保「馬房に入るとじゃれてきて、“遊ぼうよ”と言ってきますね。ちなみに獣医さんは大嫌いで白衣を見ると立ちあがってしまいます」

―小さい子供のようですね。

久保「そうですね。とにかく愛おしくてしょうがないんですよ。もう友達と会っていてもフラッシュのことで頭がいっぱい。それがばれてよく友達に注意されます(苦笑)僕がフラッシュに何かを教えているのではなく、フラッシュが僕に色々なことを教えてくれている気がします」

 久保助手は時間があれば出来る限りのワガママをさせて、フラッシュと一緒に遊んでいるといいます。「少しでも日ごろのストレスを解消できたらいいな」と優しい声で理由を説明して下さった久保助手。

 人馬一体となってつかんだ栄冠。久保助手はフラッシュを信じ続け、フラッシュも全幅の信頼を置いていたのだと思います。ゲートが開いた瞬間、フラッシュは思っていたんじゃないのかな?「この人のために頑張りたい」と。

 最後に久保助手からファンの方々へメッセージをいただいたので紹介しますね。

 「これから応援してくださるファンの人が増えてくれるかと思うと、とてもうれしいです。みなさんの期待に応えられるように頑張っていきたいと思っていますので温かく見守って下さい。一戦一戦が勝負!そうそうフラッシュはかなりのイケメンなので、今度は顔もしっかり見てやってください(笑)」(馬バカのウマドル桜井聖良)

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2010年6月3日のニュース