谷口キヨコ 夕焼けを眺める時の「あの世とこの世が一瞬混じりあうような感覚」に思うこと

[ 2023年10月25日 16:30 ]

秋の京都の夕焼け。写真もいいけど、やっぱり本物を見るのがいいですよね。心が動きます。
Photo By 提供写真

 【谷口キヨコのごきげん!? SOLOライフ】何日か晴天が続き、見上げる秋の空。ほんまに秋の空って、きれいですよね。真っ青で高い空。ぽっかり浮かぶ真っ白なひつじ雲。うろこ雲やすじ雲。真っ赤な夕焼け…。特に夕焼けを見てると泣きそうになる…。知らないうちにツーと涙が出てくることもあります。「夕焼け見て泣けてくるなんて、私の心もまだまだピュアなのね」と、心の中でつぶやいてみる(失笑)。

 この自然現象って、何千年も前から続いてるんやなぁ、なんてこともふと思います。特に西の山に沈む太陽を眺めているときは、時空なんか越えちゃって、自分が何歳かも、性別も飛び越えちゃって、ただ夕焼けの中にいる人になってることがあります。

 もっといってしまうと、その間はあの世とこの世が一瞬混じりあうような感覚といいましょうか…。私にとっては亡くなった人たちを一番近くに感じる時間でもあるんです。この夕焼けの中に彼らもいるんじゃないか、と。もちろん見えはしませんが、話しかければそれを聞いて応えてくれるような、そんな感覚になることがあります。

 それと同時に、私が知らない昔の人もこんな夕日を見て、会ったこともない遠くの人もこんな時を過ごしている…そんな気持ちにさせてもくれます。時間や距離を超えて同じものを見ている感覚、それを共有している感覚があるんです。

 過去とのつながりはご先祖様だけでなく、この大きな自然や自然現象がわたしたちをつないでくれているんやな、と夕焼けの中にいると思います。子供のいない私にとっては「未来へつなぐ」という感覚は、50年後、100年後の未来を自分の子孫目線で想像することができないということもあり、正直そんなに身近に感じられるものではありません。でも、未来の誰かもこんな気持ちで夕焼けの中にいてることで、この私の思いを共有する人がきっといるだろう。

 それが時代や国や性別や年齢や、とにかくいろいろな違いはあってもつながっていくものであると感じるし、そう信じたいのです。私はこれからも続く、大きな大きな命の一員であるというつながりを夕焼けの中にいると感じます。

 そう思うとき、これからの自分が何をしたいか、すべきなのか…。この感覚が確かな指針になるような気がします。

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