【日本アカデミー賞】最優秀作品賞は「ドライブ・マイ・カー」最多8冠!4部門候補オスカーへ弾み

[ 2022年3月11日 22:50 ]

「第45回日本アカデミー賞」最優秀作品賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介(右)と主演の西島秀俊
Photo By 代表撮影

 日本映画界の祭典「第45回日本アカデミー賞」の授賞式が11日、東京都内のホテルで行われ、最優秀作品賞は国内外の賞レースを席巻している濱口竜介監督(43)の「ドライブ・マイ・カー」が受賞した。作品、監督、主演男優(西島秀俊)、脚本(濱口監督・大江崇允)、編集、録音、撮影、照明の最多8部門を制覇。日本映画初となる作品賞をはじめ4部門にノミネートされ、今月27日(日本時間28日)に授賞式が行われる米アカデミー賞に弾みをつけた。

 西島は「作品を評価していただいて、世界で見ていただいているのも、世界の大きな波みたいなものなのかなと思っています。この作品が希望の光になる、自分のやれることを精いっぱい、今後もやっていきたいと思います」と決意新た。濱口監督は「関わってくれたすべてのスタッフ、キャスト、支えてくださった皆さんで頂いた賞です」と喜びをかみ締めた。運転手役を演じた三浦透子は新人俳優賞に輝いた。

 原作は村上春樹氏の短編集「女のいない男たち」収蔵の同名小説。舞台俳優で演出家の主人公・家福(西島)が妻を亡くしてから2年後、広島の演劇祭に参加。寡黙な専属ドライバー・みさき(三浦)と出会い、自身の悲しみを見つめ直す姿を描く。

 濱口監督は監督賞、共同執筆の脚本賞と3度ステージに上がり「この物語世界を与えてくれた村上春樹さん、それを具現化してくれた役者たちに感謝したい」としみじみ。

 この日、東日本大震災の発生から11年。同年から13年まで、津波被害に遭った人々に耳を傾けたドキュメンタリー「なみのおと」など東北記録映画3部作を製作し「話してくださった人たちの力強い言葉が、今の自分の基盤になっている」という。そして「僕たちは今いる場所から一歩一歩進むしかない。間違えれば、引き返せばいい。自分たちの仕事が未来をつくっていくことになると思う」と先を見据えた。

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2022年3月11日のニュース