和合由依さん 夢の「表現者」へCMデビュー、東京五輪パラ従事者に「ありがとう」

[ 2021年12月11日 05:30 ]

初のCM撮影の合間に本紙記者を見つけ笑顔で手を振る和合由依さん(中央)(撮影・会津 智海)
Photo By スポニチ

 東京パラリンピック開会式で「片翼の小さな飛行機」を演じ、世界中を感動で包み込んだ和合由依さん(13)が10日、CMデビューを飾った。東京都からのオファーを受け、カメラの前で豊かな表現力を披露した。その撮影現場をスポニチ本紙は独占取材。初挑戦の様子を追い掛けた。

 雲一つない青空の下で、和合さんの夢への道が開かれた。

 CMは東京五輪・パラリンピックに携わった全ての人に感謝を伝える内容で、タイトルは「TOKYO 2020 #ARIGATO」。和合さんは、クーリエ(配達人)として「ARIGATO」という感謝のメッセージをボランティアや医療従事者ら大会を支えた人々に届ける役どころ。オリパラで最も輝きを放った一人で「CMの趣旨である多くの人に感謝を伝える役としてふさわしいと考えた」(都担当者)として白羽の矢が立った。

 4日に都庁などで撮影を実施。紅葉をバックに、ワインレッドの衣装がよく映えた。本番前に心境を尋ねると「大好きな映画『メリー・ポピンズ』の衣装に似ていて、色も好き。ワクワクしてます!」と屈託のない笑顔を見せた。

 休憩中はチョコレート菓子をひとかじり。「開会式に向けた練習でもよく食べてました」と13歳の素顔をのぞかせたが、カメラを前にすると一瞬で“女優”に。撮影では監督からの演技指導はほぼなし。1シーンを終えると、真剣な表情でモニターをチェックし「オッケー!」と声を弾ませた。

 ナレーション収録にも初挑戦。「いろんなことがあったけど、感動を、応援を、元気をありがとう」とはつらつとした声。小学5、6年生で放送委員だった経験を生かし、一発OKをもらって撮影は全て終了。とびきりの笑顔で締めくくった。

 「映像を通じて、感謝を伝えられるのはうれしい。即答でやります!と答えました」という和合さん。今年を振り返り「たくさんチャレンジをさせてもらった年」と話す。開会式に始まり、最近では妹の影響でスケートボードを始めたという。「ボードの真ん中に座って、手を使ってへいたんな道を進む。凄く楽しいです」と元気に語った。

 この日、東京都の小池百合子知事(69)が定例会見でCMを発表。完成した映像はこの日から都の公式サイトなどで公開中で、20日からはテレビでも放送される。

 東京パラリンピック終了直後、本紙の企画でお笑いコンビ「爆笑問題」と対談した際、「表現者になりたい」と語っていた和合さん。撮影を終え、「表現者、という夢は変わっていない。どんどん羽ばたいていけたら」と力強く宣言。「片翼の小さな飛行機」はどこまで飛んでいくのか。まだ見ぬ空へ、希望をつないだ。

続きを表示

この記事のフォト

2021年12月11日のニュース