独立リーグからプロ入り「1%の狭き門」挑んだ ダルも注目した逸材・植田拓と155キロ左腕・石森大誠

[ 2021年10月16日 10:00 ]

独立リーグからプロへ―「1%の狭き門」に挑んだ植田拓(C)TBS
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 16日に放送されるTBS「バース・デイ」(土曜後5・00)は、11日に行われたプロ野球ドラフト会議に特別な思いで臨んだ2人の独立リーグの選手に密着した。

 1人目は茨城アストロプラネッツの植田拓(22)。高校時代は岩手の強豪・盛岡大付で甲子園に3度出場(2年夏、3年春夏)し、165センチと小柄ながら出場した3大会全てで本塁打を記録したスラッガーだ。プロも注目した逸材だったが、植田は3年生の春から抱えていた右手首のケガがあり、自らの意思で高卒でのプロ入りを断念した。

 この決断にメジャーリーグで活躍するダルビッシュ有(34)が反応した。ダルビッシュは自身のSNSに「自分としては植田拓選手をプロで見たかった」と書き込んでいた。これに植田は「びっくりした。絶対にプロに行ってやるって気持ちが強くなった」と語る。

 植田は卒業後、高校生から付き合っていた実穂さんと結婚し、娘の里乃葉ちゃんが生まれた。現在は妻と娘と離れて暮らし、700人以上が在籍する独立リーグからプロ入りできる1%の狭き門へと挑戦。その原動力はやはり家族の存在。妻は実家がある大阪から植田のために週5日スーパーでアルバイトをして、野球費用の半分を負担。さらに2週間に1度のペースで2週間分の食事を送っている。また、試合で打てない時には厳しい言葉を投げかけるなど心身ともにサポートをしている。

 植田は「僕にとっては第2の監督」と妻・実穂さんの存在に感謝。そのおかげもあり、今年9月の月間打率は5割。ドラフト間近の試合でスカウトに大きくアピールした。果たしてドラフトで植田の名前は呼ばれたのか。

 2人目は熊本の火の国サラマンダーズの石森大誠(24)。今年の独立リーグ選手の中で最も高い評価を受けた左腕だ。シーズン中に石森の登板を目当てに多くのスカウトが訪れ、150キロを超えるストレートを連発した。最速は155キロを誇る石森に全12球団から調査書が届いていた。

 グラウンドの恋女房が石森を公私ともに支えている。同じマンションに住むチームメイトで4歳下のキャッチャー・深草が石森のために手作りの食事を準備。2人分の食事を石森が負担する条件で朝と夜の炊事を担当する。石森は「食事のバランスとかを考えながら作ってくれるチームメイト、女房がいるっていうのはすごく心強い」と感謝。食事のサポートのおかげで、急成長を遂げた左腕は見事、中日からドラフト3位指名された。恋女房と二人三脚でプロの世界を勝ち取った。

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