永瀬王座「内容の悪くない将棋を指せた」 JT杯2回戦第3局で糸谷八段を破る

[ 2021年9月20日 17:48 ]

JT杯2回戦第3局で糸谷哲郎八段に勝利し勝利者副賞を手にする永瀬拓矢王座
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 将棋日本シリーズ「JTプロ公式戦」の2回戦第3局が20日、東京都渋谷区のシャトーアメーバで指され、前年準優勝の永瀬拓矢王座(29)が92手で糸谷哲郎八段(32)に勝利し、準決勝に駒を進めた。次戦は藤井聡太3冠―千田翔太七段戦の勝者と決勝進出をかけて戦う。

 タイトルホルダーの一角を担う永瀬が、糸谷のアグレッシブルな攻めをいさめ快勝を飾った。出だしから予想ができない糸谷ワールドがさく裂。永瀬は「糸谷八段は怪力でどう出るか全く分からない。7七の歩を動かないというのがテーマだったと思うが、本譜はその工夫が活きるかというところ移ったと思う。歩を取るのは後手としては最強の順だが、自分では興味が湧かなかった」と冷静に挟撃の形で攻めを繋いだ。今期初戦で好スタートを切り「内容の悪くない将棋を指せたのかな」と笑顔を見せた。

 次戦の準決勝では、藤井聡太3冠―千田翔太七段戦の勝者と激突する。「千田七段とは久しぶりで、藤井3冠とはよく当たる印象。2人とも早指しが強いのでどちらが来ても大変」と気を引き締めていた。

 現在はタイトル防衛戦の真っ最中だが、新たなリフレッシュアイテムとして「コールドブリュー(水出し)コーヒー」にハマっているという。「たまたま喫茶店で見つけたメニューで、自分にとって良い効用があった」といい、苦みや渋みが抑えられクリアでまろやかな味わいが気に入っているようだ。トップ棋士の宿命とも言えるハードスケジュールとの戦い。それぞれの気分転換方法にも注目が集まる。


 〇…例年、全国各地で公開対局として開催されるJT杯だが、今局の開催予定地だった静岡県の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け緊急事態宣言発令を受け、都内スタジオでの無観客対局に変更された。2年連続2回目の出場となる永瀬は、JT杯の公開対局は未経験。「自分も子供の頃はこども大会や公開対局を楽しみにしていた。次に(公開で)開催できた時には皆さんに元気が出るような将棋をお見せできると思う。その機会を心待ちにしたい」と話した。

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2021年9月20日のニュース