大河名場面SP 楽しみな勝新太郎さんと渡辺謙の夢の共演シーン

[ 2020年6月12日 12:30 ]

NHK大河ドラマ「独眼竜正宗」で伊達政宗を演じる渡辺謙(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】NHK大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜後8・00)はしばらく休み。代わりに毎週、特別番組「麒麟がくるまでお待ちください 戦国大河ドラマ名場面スペシャル」が放送される。これはこれで楽しみ。懐かしい大河に再会できるからだ。

 14日は「独眼竜政宗」(1987年)、21日は「国盗り物語」(1973年)、28日は「利家とまつ」(2002年)。制作統括の斎藤直子チーフ・プロデューサーは「この3作品は『麒麟がくる』と近い時代を舞台にした大河。明智光秀、織田信長、豊臣秀吉ほか、『麒麟がくる』と共通の登場人物や歴史的出来事が名場面として続々登場します。戦国時代を別の側面から楽しんでいただけると思いますし、『麒麟がくる』が再開された時に、さらにその世界を味わっていただくことにもつなればと思いました」と話す。

 その幕開けが、渡辺謙主演の「独眼竜政宗」。斎藤氏は「大河歴代最高視聴率(39・7%)を記録した作品です。『戦国大河』といえば、やはりこの作品をご覧になりたい方々も多いのではないかと思い、選びました」と説明する。

 「麒麟がくる」でも描かれた「桶狭間の戦い」から7年後に生まれた伊達政宗が主人公。斎藤氏は「戦国時代ならではの親子・主従関係などがドラマチックに描かれていて、見ごたえがあります。20代で主演した渡辺謙さんほか、北大路欣也さん、勝新太郎さん、岩下志麻さんら『名優たちの名演技』は必見です」と話す。番組には渡辺も出演し、当時の撮影の舞台裏を語るという。

 渡辺の大河出演は「山河燃ゆ」(84年)「独眼竜政宗」「炎立つ 第一部・第三部」(93~94年、主演)「北条時宗」(2001年)「西郷どん」(18年)の計5作。「独眼竜政宗」で全国的な人気を獲得し、その後に世界的俳優へと羽ばたいていった渡辺は「西郷どん」で17年ぶりの大河出演が決まった際に「俳優として基礎を育てて頂いた大河ドラマに恩返しさせてもらう機会を頂きました」と思いを語っている。

 「独眼竜政宗」で興味深いのは、勝新太郎さんが豊臣秀吉役で出演していること。1987年の放送当時はその価値の高さに気づかなかったが、今となっては、「座頭市」シリーズで知られた人気俳優の勝さんと、のちに世界的俳優になる渡辺の顔合わせは「夢の共演」以外の何物でもない。番組では名場面として、政宗と秀吉の緊迫した対面シーンが放送される予定だ。

 今後、この番組で、さまざまな名優の貴重なシーンが見られるだろう。なかなか味わい深い日曜の夜になりそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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