西川きよし語る「新しいお笑い様式」の必要性 新型“ピン芸”も模索中

[ 2020年6月12日 05:31 ]

西川きよし
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 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除され「新しい生活様式」への転換が求められる中、上方お笑い界の重鎮・西川きよし(73)は本紙の取材に「我々お笑いの仕事も変わってくる。先、先を考えていかないと」と「新しいお笑い様式」の必要性を語った。

 3月2日から休館しているお笑いの聖地「なんばグランド花月(NGK)」(大阪市中央区)が19日から営業を再開。12日からチケットよしもとで前売りを開始する。固定席858人収容の同劇場も、三密対策で100人程度の観客からスタート。「テレビや舞台での三密を防ぐため、ひな壇をどうするか、漫才をどういう形にするかなど、考えることはたくさんあります」ときよし。NGKだけでなく各劇場で消毒の徹底、マスク着用などに加え、漫才や新喜劇をどうやってファンに届けるか、芸人、社員が知恵を出し合っている。

 きよしはコロナ禍で外出自粛していた間、テレビ、ラジオは電話やオンラインでの出演となった。自宅ではヘレン夫人(73)と「きよしとヘレンの毎日ラジオ体操」をインスタグラムにアップ。息子の忠志(52)からラジオ体操第1、第2を習い、夫婦揃って5月31日まで47日間、やり続けた。インスタは「いつも元気な姿を見せて頂いた」と好評だった。さらに夫人の勧めでウォーキングマシンでトレーニングし、大人用塗り絵、頭の体操ドリルをこなして心身ともに「前より健康になったかも。3キロ減りました」と力こぶを作ってみせた。

 毎朝、仏壇に手を合わせて、相方だった故横山やすしさん(96年1月死去)に語りかける。「2人で漫才をやってる時のやっさんの顔が浮かんだ」という。過去の「やすきよ漫才」などの映像を、NGKの舞台後方スクリーンに映し出し「映像を見てから漫談する」など、これまでにない形での“ピン芸”も模索中だ。

 「過去のやっさんの映像と漫才することにチャレンジ。その課程を撮影してDVDを作っても面白そうですね。お笑いの力は病気の抑止力にもなる。無理しない範囲で1人でも多くの人に舞台を、新しい笑いを楽しんでもらいたいですね」。6月に芸歴57年を迎えたレジェンドも、決意を新たにした。

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