ミルクボーイ自虐「人気は全くないんです」 全国ツアーで得た自信胸にM―1優勝狙う

[ 2019年12月20日 21:50 ]

「Mー1グランプリ2019」の決勝進出を決めたミルクボーイの駒場孝(左)と内海崇
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 漫才の日本一を決める「M―1グランプリ2019」決勝進出を決めた漫才コンビ「ミルクボーイ」。ほとんど、マスコミの取材を受けたことがない駒場孝(33)、内海崇(33)の2人も、日に日に“決勝進出”という偉業の重みを実感し始めたようだ。

 「ボクら、人気は全くないんですよ」と内海は笑う。確かに、よしもと漫才劇場など、舞台に立つ際にそれぞれに渡される5枚のチケットさえ「この2年間、1枚も売れたことがない」と駒場が苦笑い。「街で顔を指されたことがない」と続け「言ってくれたら写真でもサインでも、何でも応じるんですが。隠し撮りでもOK」と内海はウエルカム態勢。それでも、誰も近寄ってこなかったそうだ。だが、決勝進出を決めた夜から、2人のツイッターはそれぞれフォロワー数が増加。「いきなり3000人が5000人になった」と内海。「これまで応援するのさえ恥ずかしかった方々が、胸を張ってもらえるかな」と駒場も笑った。

 漫才は、マッチョな駒場と、ずんぐり体型の内海という見た目対照的な2人が、駒場の「おかん(母親)が忘れたこと」を題材に、ツッコミの内海が謎解きしていくやりとりの面白さを表現するパターン。決勝進出を決めた翌日、横浜市の実家に帰った駒場に、母親が「あの~、芸能人の名前が、出てこないのよね」と漫才ネタのように訴え、駒場は大爆笑したそうだ。

 大阪芸大4年の07年7月にコンビ結成。当初はNSC(吉本総合芸能学院)に入ることを考えていたが、08年1月に「baseよしもと プレステージ」のオーディションに合格してプロデビュー。10年にM―1準々決勝に進出した。だがその後、漫才への意欲を喪失した。内海は「2人が同じ方向を向いてなかった」。「舞台の前説をこなすだけの毎日だった」と駒場。プライベートを優先して、仕事がおろそかになってしまった。それでも身近で「ミキ」ら後輩芸人が活躍。何とかやる気を取り戻した。

 今年の目標は「M―1準決勝に進出すること」だった。だが、一気に決勝へ。「広島、沖縄、福岡、東京など全国ツアーが力になった。自信がつきました」と内海。緊張感のある中での経験がプラスに。「内海が、自分の思ってることを喋れるようになったこと」と駒場は分析。ツアー最後の東京公演で、年間のベストネタ6本が全部ウケたことも自信につながった。

 突然、訪れた大チャンス。「せっかく出るんだから、もちろん優勝を狙いますよ」と声を揃えた2人。苦手は「若い娘にはネタがすべるかも」だそうだが「審査員の方にどう評価していただけるか楽しみです」と内海も大舞台に期待。優勝すれば、「付き合ってる彼女との結婚を考えています」と内海。大阪市天王寺区の“住みます芸人”の2人。からし蓮根とともに、史上初の現役住みます芸人王者を狙う。「ミルクボーイ」が「シンデレラボーイ」にならないか。

 【ミルクボーイ】
 ◆駒場 孝(こまば・たかし)1986年2月5日、大阪市生まれの33歳。那覇市、横浜市で育ち。18年にボディビルの大会で優勝経験あり。既婚。

 ◆内海 崇(うつみ・たかし)1985年12月9日、兵庫県姫路市出身の33歳。けん玉2段の腕前。

 大阪芸大の落語研究会で知り合い、4年の07年7月に漫才コンビ結成。08年冬に「baseよしもと プレステージ」のオーディションに合格。M―1は10、16~18年に準々決勝進出。今年の「第8回関西演芸しゃべくり話芸大賞」のグランプリに輝いた。

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