吉本、日本初「専属エージェント契約」導入 タレント自らスケジュール管理&ギャラ交渉

[ 2019年8月9日 05:30 ]

吉本興業の経営アドバイザリー委員会の座長を務めた川上和久氏
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 吉本興業が闇営業問題に端を発する一連の騒動を受けて設置した「経営アドバイザリー委員会」の第1回会合が8日、都内の同社で行われた。答申を受け吉本は、マネジメントやスケジュール管理、ギャラ交渉などをタレントが自ら行う「専属エージェント契約」を導入することを発表した。日本の芸能事務所では初めての導入。

 委員会は騒動を受け、文書での契約締結を全員と行うことを吉本に提言した。吉本は約6000人のタレント全員と、反社会的勢力との断絶などを明記した「共同確認書」を交わし、署名をした時点で所属契約とする。まずは、活動実績のある約1300人と優先して締結していく。

 さらに、騒動で表面化した、吉本の体制やマネジメントに不満を抱える芸人への対策の一環として導入するのがエージェント契約。事務所は仕事獲得の窓口だけを担当する、スポーツ界やハリウッドなどの海外芸能界で主流の方針だ。

 関係者は「自分に合った仕事を追求できるし稼ぐほど取り分が増える。ギャラの取り分を吉本と交渉していくことも可能になる」と話す。反社チェックも自らの責任で行うことになり規範意識の上昇も見込める。委員会の座長を務める川上和久氏(61)は「個々のニーズをくみ取った契約形態の構築が大切」と訴えた。

 テレビ局幹部は「新制度は吉本からの影響に縛られず活動できる側面もある」と指摘し経営陣への不満を表明した極楽とんぼの加藤浩次(50)や、雨上がり決死隊の宮迫博之(49)の今後にとっても重要な選択肢の一つとなりそうだ。

 ▽エージェント契約 エージェントの役割は契約したタレントの仕事獲得の窓口を務め、その仕事が成功した場合、一般的に報酬としてギャラの10~15%程度を受け取る。日本従来の「専属マネジメント契約」は、仕事の獲得からタレントのプロデュース、スケジュール管理まで全てを事務所が担うが、エージェント契約をした場合は仕事の獲得のみを事務所が担当。あとの要素はタレント自身、または代理人の裁量で決められ、タレント側の取り分の相場もマネジメント契約より増える。

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2019年8月9日のニュース