福島「Jヴィレッジ」再開 DA PUMP「U.S.A.」カズダンスバージョンで披露

[ 2019年4月21日 05:30 ]

Jヴィレッジのサッカーグラウンドを埋め尽くした聴衆をバックに「いいねポーズ」を取るDA PUMP。左からTOMO、U-YEAH、KENZO、ISSA、DAICHI、YORI、KIMI
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 東日本大震災後に東京電力福島第1原発事故の収束作業の拠点となっていた福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)が20日、約8年ぶりに営業を全面再開した。記念セレモニーにDA PUMPが登場。ヒット曲「U.S.A.」を“カズダンスバージョン”で披露し復活を祝福した。同施設からスタートする東京五輪の聖火リレーにも意欲を見せた。

 サムアップをしたKIMI(36)が「さあ、いよいよだぞ」と熱気をあおった。6曲目のラストに「U.S.A.」。待ちわびた聴衆約3000人の興奮はピークに達し、前列では子供たち100人ほどが「いいねダンス」を踊った。

 サッカーグラウンドに併設された特設ステージ。7人はサビの長いロングバージョンを披露した。いつもは通称「ひよこダンス」で締めくくるのを、ちゃめっ気たっぷりに三浦知良(横浜FC)の「カズダンス」に変更。「おーっ」と歓声が上がった。ISSA(40)は「記念すべき日に呼んでいただいて感謝します。これから日本のサッカー界を担う子供たちが育つところでライブができて最高にうれしいです」と感激。真新しいグラウンドを埋め尽くしたサッカーファンらを感慨深げに見渡した。

 所属事務所「ライジングプロ・ホールディングス」の平哲夫社長が福島県出身という縁で出演オファーが寄せられた。2014年12月にはDA PUMPやMAXら事務所の所属アーティストで福島復興支援コンサートを開催。ISSAは11年6月にトラックで被災地に支援物資を届けたこともある。

 DA PUMPはセレモニーのトリで登場した。ISSAは「街並みを見るとだいぶ復興してきたけど、まだまだだと思う。自分たちは歌と踊りで元気になってもらえるようにしていきたい」と支援を続けていく意向だ。

 聖火リレーにも意欲。来年3月26日にJヴィレッジからスタートし、7月24日の開会式まで47都道府県を回る。7人は出身の都道府県が全員違うため、TOMO(38)は「みんなそれぞれの地元でできるといいね」と希望。ISSAは「できたら面白い。やってみたいね」と乗り気だった。

 《JR常磐線 最寄り駅を新設》Jヴィレッジ全面再開に合わせ、JR東日本が常磐線に最寄り駅「Jヴィレッジ」を新設し、この日開業した。イベント開催時に停車する臨時駅として利用される。同駅に着いた幼稚園教諭の女性(42)は「明るい雰囲気がとてもいい。息子がサッカーをしているので、また来たい。福島の復興につながればいいと思う」と笑顔を見せた。

 ▽Jヴィレッジ 東京電力福島第1原発から約20キロ南にあり、福島県沿岸部の楢葉町と広野町の町有地に立地するサッカー施設。東電が総工費約130億円をかけて整備し、県に寄贈した。サッカー日本代表のキャンプなどが行われ、2011年3月に東日本大震災と原発事故が起きるまでに、累計約680万人が来場した。

 ≪なでしこL再開後初公式戦、仙台・安本“万感”≫Jヴィレッジ再開後、初の公式戦としてなでしこリーグの千葉―仙台戦が行われた。11年当時、前身の東京電力マリーゼに所属していた仙台のMF安本は「8年越しに戻ってこられて、ここで1発目の試合ができてうれしい」と万感の思いに浸った。試合は0―1で敗れただけに、悔しがったが「感謝の気持ちを忘れずにやりたい」と話した。試合を視察したなでしこジャパンの高倉監督は「福島が活気づく一つの場所になれば」と喜んだ。

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2019年4月21日のニュース