藤井七段 名人戦順位戦順昇級ならず 師匠の杉本八段は復帰

[ 2019年3月6日 05:30 ]

将棋の第77期名人戦順位戦C級1組の最終局で都成竜馬五段に勝利し、対局を振り返る藤井聡太七段。昇級はならなかった
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 将棋の藤井聡太七段(16)が5日、大阪市の関西将棋会館で指された第77期名人戦順位戦C級1組の最終局で都成竜馬五段(29)に126手で勝利したが、他局の結果により、デビューから2期連続昇級を逃した。B級2組への昇級を決めた師匠・杉本昌隆八段(50)とは明暗が分かれ、32年ぶりの師弟同時昇級はならなかった。

 終局直後、藤井は感想戦で事実を知らされると覚悟していたかのように「前回、敗れてしまっていたので仕方ないのかな」とサバサバとした表情。「来期も一局一局を積み重ねていきたい」と前を向いた。まだ20歳で史上最年少名人になる道は残されている。来期以降に昇級を続け、最短ルートで名人を奪取すれば、1983年に21歳で名人になった谷川浩司九段(56)を上回る。師弟そろっての昇級は87年、第45期順位戦B級2組で故大内延介九段と弟子の塚田泰明九段(54)が果たした。 

 自力でB級2組に復帰した杉本は感極まったのか「昇級は非常に幸運でした」と言葉を絞り出した。前夜は対局を想定しながらベッドに入ったが、夜明け頃まで寝つけず「完全に調整に失敗した」と苦笑いしながらも「将棋はイメージ通り指せました」。藤井との同時昇級を逃したことについては「棋士としては最高だが、師匠としては複雑。ただ藤井七段も近いうちに必ず昇級してくる。共に戦える日を待ってます」と愛弟子にエールを送っていた。

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