振り幅の大きさ魅力だった佐藤純彌監督 アニメ脚本、主題歌作詞も

[ 2019年2月18日 09:00 ]

映画監督の佐藤純彌さん死去

佐藤純彌監督(2008年撮影)
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 佐藤純彌監督は「敦煌」などの大作から、北京原人が現代によみがえるという斬新な設定や奇想天外なストーリーで「迷作中の迷作」と一部ファンから熱い支持を受ける「北京原人 Who are you?」まで、振り幅の大きさも魅力の監督だった。

 日本刀学者の佐藤貫一氏を父に、言語学の権威で東大名誉教授の佐藤純一氏(87)を兄に持つなど学究派一家に育った。自身も東大出身だが「インテリくささのない気さくな人。優しくて面倒見もよかった」と映画関係者は声をそろえる。スポーツカーを駆ってのドライブも好んだ。

 好きな自作を問われて「新幹線大爆破」を挙げることもあったが、「作るものにえり好みなんてない。どんな作品も楽しい」と等しく愛情を注いだ。気功をテーマにした「超能力者 未知への旅人」(94年)の撮影前には「科学で証明できない事象が少なくない」と自らスプーン曲げに挑んだこともあった。

 多才な人で、純彌でなく「純弥」名義でアニメ「魔法使いサリー」の脚本を担当したほか、TBS「キイハンター」では野際陽子さんが歌った主題歌「非情のライセンス」の作詞も手掛けた。読書も好きで、最近は湊かなえさんの著書を手にしていたという。

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2019年2月18日のニュース