砂川啓介さん死去 認知症の妻・大山のぶ代を残し…無念の最期

[ 2017年7月19日 05:30 ]

砂川啓介さん=2015年10月撮影
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 「ドラえもん」の声優で知られる大山のぶ代(83)の夫で俳優の砂川啓介(さがわ・けいすけ、本名山下啓一=やました・けいいち)さんが11日午前4時10分、尿管がんのため都内の病院で死去した。80歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で済ませた。2015年に大山が認知症で、自身が介護していることを公表。「君より先には死ねない」と病と闘ってきたが、無念の最期となった。

 マネジャーによると、砂川さんは5月に肺にたまった水を抜くために入院。先月9日に退院したが、4日後の13日、連絡がつかないためマネジャーが自宅に行くと意識を失った状態で倒れていた。救急搬送された都内の病院で脳梗塞と診断され、再び入院。意識はすぐに戻ったが、今月11日に悪化。早朝のため誰にもみとられず、静かに逝った。

 砂川さんは15年5月、大山が12年に認知症と診断され、自身が介護していることをTBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」で公表。自身も13年に初期の胃がんの手術を受けたことも告白した。さらに昨年4月には尿管がんと診断された。入院治療で介護が難しくなることから、大山の介護施設への入所をやむなく決断。「先には死ねない」と病に打ち勝つことを誓っていた。

 砂川さんは、1961年にNHK「うたのえほん」で初代「たいそうのおにいさん」に起用され人気者に。63年に共演舞台「孫悟空」で大山と出会い、翌年結婚した。

 放射線治療などでの入院時も大山のことを気に掛け「今日は何してるかな?」とマネジャーに聞いていた。6月の入院後はマネジャーに短い言葉で「頼むな」と伝えていた。大山は当面、介護施設で生活するとみられる。

 ◆砂川 啓介(さがわ・けいすけ)本名山下啓一。1937年(昭12)2月12日、東京都生まれ。成城高校在学中から演技の仕事を始め、卒業後は東京少年劇団に入団。出演作に映画「足摺岬」「蟹工船」など。「たいそうのおにいさん」としてブレークした後は、67〜69年の日本テレビ系ドラマ「意地悪ばあさん」の万年役などで活躍。80〜86年には日テレ「お昼のワイドショー」の司会も務めた。近年は介護についての講演会も行っていた。

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