「貴族探偵」水戸黄門にヒント 麻耶雄嵩氏が相葉雅紀との対談で明かす

[ 2017年4月17日 11:00 ]

「貴族探偵」の原作者・麻耶雄嵩氏
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 嵐の相葉雅紀(34)が主演を務めるフジテレビ「貴族探偵」(17日スタート、月曜後9・00)の原作、麻耶雄嵩(まや・ゆたか)氏による同名推理小説の新シリーズが、この日発売の月刊小説誌「小説すばる」5月号(集英社)でスタートした。麻耶氏と相葉の対談も行われ、10ページにわたって同誌に掲載。召使いに推理をさせて本人は何もしないという異色の探偵について、原作者は「水戸黄門」がヒントになったと明かしている。

 1987年4月からドラマ枠になった同局の看板枠「月9」の30周年を飾る話題作。原作は、2011年に「隻眼の少女」で日本推理作家協会賞に輝くなど、推理小説の常識を覆す作品を世に送り続けている俊才・麻耶氏の「貴族探偵」「貴族探偵対女探偵」(集英社文庫)。己を「貴族」と名乗り、年齢も家族も住所も本名も不明という謎の青年(相葉)が「推理などという雑事は、使用人に任せておけばいいんですよ」と言い放ち、自分は事件関係者の女性との会話を楽しみ、遊びに興じながら優雅に事件を解決に導く。

 麻耶氏と相葉は、もちろん初対面。最初はお互いに緊張の面持ちだったが、麻耶氏が「爽やか…ですねぇ」と相葉の第一印象、相葉が原作の読了感を述べると、一気に打ち解けた雰囲気に。

 相葉が主人公の異色の設定について聞くと、麻耶氏は「推理しない探偵って、おもしろいなぁ、とまず思った中で、推理せずとも探偵であらしめるためにはどうしたらいいのか、というのが次にあって。とりあえず(ヒエラルキー的に)一番上という立ち位置で現れ、現れただけで必ず事件が解決することができるなら“探偵”と言えるんじゃないか、と。水戸黄門って、そういう感じじゃないですか。おじいちゃんだから、あまりアクションもできないし、聞き取り調査も推理も含め、捜査のほとんどを助さん・格さんとか風車の弥七がやっているわけですよ。しかもタイトルは『水戸黄門』で、やんごとなき身分であらせられる黄門様が全国を巡り、そこで起こる事件を解決するというパターンは…」と語る。

 ドラマは貴族探偵の執事・山本を松重豊(54)、メイド・田中を中山美穂(47)、運転手・佐藤を滝藤賢一(40)が演じるが、相葉は「(助さん・格さん、風車の弥七は)『貴族探偵』でいうところの執事の山本、メイドの田中、運転手の佐藤という使用人たちですね。あー、本当だ、まさに貴族探偵ですよ!そっか、水戸黄門のイメージもあったんだ。やられちゃったな」と驚き。麻耶氏は「黄門様が現れれば、事件は解決する。ああ、推理しない探偵ってアリだなと思えたんです」と貴族探偵の誕生秘話を明かした。

 その他、2人は学生時代の意外な共通点から、相葉の役作り、貴族探偵のキャラクター、「貴族探偵」新シリーズの構想などについて、1時間弱にわたって大いに語り合い、満面の笑顔で初対談を終えた。

 貴族探偵と同じ事件に出くわし、推理対決を繰り広げる探偵・高徳愛香に武井咲(23)。愛香の師匠・喜多見切子に井川遥(40)。ドラマオリジナルの刑事・鼻形雷雨に生瀬勝久(56)と豪華キャストが勢揃い。「ストロベリーナイト」「僕のヤバイ妻」などで知られる脚本の黒岩勉氏(43)や数々の「月9」作品で知られる演出の中江功監督(53)ら、相葉が15年4月クールに主演した同局「ようこそ、わが家へ」のスタッフが再集結した。

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2017年4月17日のニュース