「快傑えみちゃんねる」900回続くワケ 上沼恵美子の話術 主婦経験の強み

[ 2016年11月18日 08:00 ]

「快傑えみちゃんねる」の司会を務める上沼恵美子(C)カンテレ

 関西バラエティー界の女王・上沼恵美子(61)が司会を務めるカンテレ「快傑えみちゃんねる」(金曜後7・00)は18日の放送で900回を迎える。昨年は1995年7月10日のスタート以来、放送20周年の節目。同局の梅田一路プロデューサーに番組制作の裏側、長寿番組の秘訣などを聞いた。

◆屋台骨「上沼のトーク」だけで勝負 懐の深さと独特の味付け

 昨年、還暦を迎えた上沼だが、毒舌トークは今なお鋭く健在。今年で放送21年になり、ゴールデンタイムに放送されている女性メーン司会による関西民放バラエティー番組として、最長記録を自ら塗り替えた。全899回の平均視聴率は12・9%(ビデオリサーチ調べ、関西地区)を誇る。

 番組のスタイルはゲストを招いた「トーク60分一本勝負」と変わらない。2007年4月から制作に携わる梅田氏は「21年間続く『快傑えみちゃんねる』の屋台骨は、やはり上沼さんのトークです。ゲストのあらゆる角度のエピソードを上沼さんの懐の深さで受け止め、さらにおもしろい味付けをしていただき、大爆笑を誘う流れこそが番組のエッセンスです」と上沼の話術が要だと説明。

 「その独特な味付けは『快傑えみちゃんねる』ならではです」と自負し「結婚、出産、育児、家事、嫁姑問題…主婦が経験することすべてを体験してきた上沼さんのフィルターを通すからこそ生まれる切り口があります。その『上沼さんのフィルターを大事にする』という考えを私とスタッフ全員で共有しています」と番組作りの軸を明かした。

 トーク番組に不可欠なことは「視聴者の方々を引きつけるには、ゲストの皆さんに熱を持って、前のめりでしゃべっていただくこと」と持論。そのためには「おもしろく、生々しく、際どいエピソードをいかに打ち合わせで引き出せるかが大切」とポリシーを力説する。

◆台本100ページ入念読み込み 責任感が生む“緊張感”初回から持続

 「例えば『夫婦』というキーワードから生まれるトークは、上沼さんの真骨頂です。打ち合わせでゲストの方々から引き出すエピソードでも、常に『夫婦』というキーワードを大切にしながら打ち合わせをしています。21年間続いて、ゲストの皆さんも何周もしていますが、常に新しいエピソードを求めるという姿勢は崩していません」とスタッフはたゆまぬ努力を続ける。収録は2本撮りだが、ゲストのエピソードが書き込まれた台本は何と約100ページに及ぶ。

 台本は収録の1日前に渡すが「上沼さんは入念にすべてを読み込み『このゲストのエピソードから、こんな話を展開しよう』と考えてこられます。ご自身の番組に対する上沼さんの責任感の強さは、収録現場にいい緊張感を生んでいます。ディレクターも、台本にすべて目を通した上沼恵美子さんと対峙するわけですから。900回続いても、収録中に上沼さんとスタッフとの間に流れる緊張感は1回目から変わってないと思います。900回続く要因は、そこにあると思います」と長寿の秘訣を分析した。

 900回記念スペシャルの収録はハワイにある上沼の別荘で行われたが、「ハワイにやってきました!」というような“お決まり”のオープニングもない。「ロケも少々行っていますが、やはり番組の肝、トークで勝負します。花田虎上さん、仁科克基さんのお二人のゲストだけですが、とにかくトークが濃いので楽しみにしていてください。爆笑にとどまらず、花田さんとハワイの関係を聞くと思わず涙してしまうかもしれません」とアピールした。

 “前人未到”の1000回も目前。「1000回というのは言葉で言うと簡単ですが、あと100回の放送を重ねるには2年半ほどかかります。テレビ離れの進んだ今の時代、ゴールデンタイムで2年半続けるというのは大変なことです。あまり先のことは考えず、これまで同様に番組の屋台骨を大事にし『快傑えみちゃんねる』を好きでいていただける視聴者の皆さんを裏切らないよう、1回1回の放送を積み上げていきたいと思います。その中で、マンネリにならないよう、ちょっとした新しい色や変化をつけていけたらと思います」と展望。お茶の間に笑いと感動を送り続ける。

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