元中日エース 戦力外通告、収入ゼロの野球浪人…妻との不妊治療も告白

[ 2016年11月18日 21:31 ]

12球団合同トライアウトで力投する野口茂樹投手(2011年撮影)

元プロ野球選手の野口茂樹さん(42)が18日放送のTBS系「爆報!THEフライデー」(金曜後7・00)に出演。戦力外通告後の野球浪人、営業マンに転身した現在や、妻の不妊治療について明かされた。

 1999年、星野仙一監督率いる中日のリーグ優勝の立役者の一人だった野口投手。最高年俸1億4000万(推定)を稼ぐエースだったが、その後は故障に苦しみ、巨人に移籍するも不振続きで2軍落ち、34歳で戦力外通告を受ける。それでも故障した肘が治ればまだ通用するはずだとプロ野球選手でいることにこだわり、収入ゼロの状態で自主トレーニングを続けて、復帰を目指した。

 巨人在籍中に知り合った8歳年下の直美さんは、野球浪人となった野口さんとの結婚に踏み切り、保育士の仕事を続けながら夫を支えた。「(夫は)私のことより野球が好き。でもいいんです、2番でも」。野口さんは、37歳でラストチャンスと決めて12球団合同トライアウトを受けたが、どこからも声がかからず、ついに野球を断念した。

 結婚当初から子どもを望んでいた直美さん。夫婦で妊活に取り組むも、なかなか子宝に恵まれなかった。「子どもができないのは、自分が不安にさせているからかもしれない」と考えた野口さんは、妻を安心させたいと一般企業に就職。照明機器を売る営業マンとして働くように。それまで野球一筋の人生だったため、一般常識とはかけ離れた部分もあり、転職当時はよく叱られたという。

 「茂樹さんの子供が欲しい、と私のほうが強く望んでいた」という直美さん。不妊治療を始めた2人だったが、人工授精は1回約3~5万円の費用がかかり、身体的、経済的な負担が増える。3年間で6回の治療を受けるも成功せず、精神的にも疲弊していき「暗いトンネルの中にいる感じだった」と当時を振り返る。夫の「つらかったらもうやめてもいいよ、子どもがすべてじゃない。お前と一緒にいられるだけでいいんだから」という言葉も、「私はこんなに頑張ってるのに…」と、つらさが増すだけだったと明かす。

 その後、1回の治療費が100万円ほどかかることもあるという体外受精に踏み切る。直美さんは、激痛を伴う卵子採取のための手術にも耐え、最後のチャンスにかけた。今年10月、念願叶って無事元気な女の子が誕生。直美さんは夫への手紙に「順風満帆ではなかったけど、それを乗り越えたからこそ生まれた絆や信頼関係が深まったよね。一家のヒーローであるあなたに、お助けマンになってもらい、新米ママ頑張ります」とつづっていた。野口さんは、生まれたばかりの娘を胸に抱き、思わず顔をゆるませながら「家族のために頑張らなくちゃいけない」と決意を新たにした。

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2016年11月18日のニュース