巨匠スコセッシ監督最新作「沈黙」厳戒“世界初公開”

[ 2016年10月20日 05:55 ]

<沈黙-サイレンス- 来日記者会見>フォトセッションでポーズをとる(左から)窪塚洋介、マーティン・スコセッシ監督、浅野忠信
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 作家・故遠藤周作さんの小説をハリウッドで映画化した「沈黙―サイレンス―」の会見が19日、都内で行われ、米国のマーティン・スコセッシ監督(73)、日本人出演者の窪塚洋介(37)、浅野忠信(42)が出席した。

 完成前の本編から抜粋した約15分の映像を世界初披露。江戸時代初期の長崎が舞台で、キリスト教弾圧に屈して棄教したと噂される司祭(リーアム・ニーソン)を捜しにきたポルトガル人宣教師の主人公(アンドリュー・ガーフィールド)を通じ、信仰の意義などを描く人間ドラマ。セリフは英語がメイン。窪塚演じるキチジローが主人公に許しを求める場面や、通訳役の浅野が捕らわれた主人公に語りかけるシーンが上映された。

 会見には報道陣約300人が集結。映像の流出を防ぐため、配給サイドが携帯電話やカメラをビニール袋に入れて封をするよう要請。上映中は警備員6人が暗視スコープで監視する厳戒態勢だった。

 スコセッシ監督が原作と出合ったのは88年。28年かけて映画化が実現し「この作品について考え続けた。この作品とともに成長した」と感慨たっぷり。黒澤明監督の「夢」(90年)に出演するなど大の日本映画好きで「初めて異文化に触れたのが、14歳の時にテレビで見た溝口健二監督の“雨月物語”。日本の文化から多大な影響を受けている」と説明。作品について「意識しているテーマは文化の違いや衝突。語っても語り尽くせない」と熱弁を振るった。そんな監督に、窪塚は「撮影初日に監督が奇麗なスーツを着ていたのに、汚れた床に座り込んで演出するのを見て、情熱メラメラの人なんだなと思いました」と感服していた。

 米国では12月23日公開。スコセッシ監督は07年に「ディパーテッド」でアカデミー賞の監督賞や作品賞を受賞しただけに、今作でのオスカー獲得も期待される。日本では来年1月21日公開。

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