「真田丸」和歌山の自虐PR動画が話題 ご当地なのに認知度が…有働アナが本音語り

[ 2016年9月19日 08:00 ]

有働アナがナレーションを務めた「見やんと!真田丸」のオープニング。“芸は細かく”六文銭の文字が「和歌山」になっている(C)NHK和歌山放送局

 俳優・堺雅人(42)主演のNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)が、後半戦に入りますます盛り上がりを見せている。ドラマ関連のイベントやテレビ番組も人気だが、中でもNHK和歌山放送局の夕方のニュース「あすのWA!」(月~金曜後6・30)内コーナー「見やんと!真田丸」が注目を集めている。ご当地にも関わらず認知度が低いという和歌山の実態を逆手にとり、“和歌山の真田通”を自負する出演者の熱烈トークが面白い。ナレーションは本編と同じく有働由美子アナウンサー(47)が務める徹底ぶりだ。オリジナリティーあふれる企画はどのようにして誕生したのか。制作を担当する坪井健人ディレクターに聞いた。

◆有働アナが“笑える”内容を重厚にナレーション
 「盛り上がる真田丸ブーム。その中、和歌山のファンは焦っていた。和歌山は信繁(幸村)が最も長く暮らした地。ところが多くの県民がそのことをいまだ知らない。見やんと!真田丸。その魅力をお伝えする」

 本編と変わらぬ有働アナの重厚なナレーションで番組はスタート。初めて見たときは、“なぜ自虐的なの?”と思わず噴き出してしまった。別のナレーションでは「ますます盛り上がる真田丸。しかし、和歌山のファンは焦っていた。展開が遅い。話をためすぎていないか。和歌山の部分が割愛されはしまいか。ともあれ、見やんと!真田丸。その魅力をお伝えする」と、主人公・信繁(堺)が蟄居する九度山の場面が描かれているのかと心配する。本音語りがいい。インターネットでは「こんな番組があったなんて知らなかった」「冒頭の有働ナレが笑えるんだけど」など好評だ。

◆旅行誌の真田特集で…200ページ中の和歌山4ページだけ
 企画の意図について坪井ディレクターは「徳川吉宗らと比べて和歌山で幸村(信繁)の認知度が高くなかった。ある旅行情報誌で『真田ゆかりの地』が特集されていたのですが、例えば100ページ、200ページある中で和歌山部分がたったの4ページ。しかもその中でも九度山は1ページだけ。残りは関係のない観光情報で、残り2ページは地図でした。これが実態なら『和歌山も盛り上がっています』と扱うのはどうかなと…。ならば本音に即した、実際の認知度は低いということを逆手に取ってみようと。本音の部分を表現したほうが(視聴者やネットユーザーに)響くのではと考えました」と説明する。

 全国区の人気を誇る有働アナが、企画の意図に賛同しオファーを快諾。「地方でも面白いものを作りたい!そんな私たちの思いを“意気に感じて”くれたのが嬉しかった」と感激する。

 出演者は和歌山で飲食店を経営する「源じろう」こと半田雅義氏と、サカメグの愛称で親しまれるフリーライターの坂口恵さん。坪井ディレクターは半田氏について「切り口が独特。『飲み会が勝敗の鍵を握る』と、関ヶ原の勝敗を徳川、石田両陣営が開いた酒席のムードから分析した」と紹介。坂口さんについても「生粋の歴女で真田マニア。信繁の祖母・とり役を務めた草笛光子さんが和歌山にイベントでいらっしゃったときに、サカメグさんが『今度生まれる子供の名前を信幸と信繁どちらにしようか悩んでいます。選んでください』とお願いしていました」と仰天秘話を披露した。

 回を重ねる度に反響が大きくなっていることに坪井ディレクターは「ローカルの1コーナーに、こんなに反応してもらえるのは嬉しいです」と喜ぶ。18日の第37話「信之」では、信繁と父・昌幸(草刈正雄)は蟄居を命じられ、最後の場面で真田家の九度山入りが描かれた。25日放送の第38話「昌幸」から九度山での日々が始まる。「お金や人が限られている地方の場で、知恵を駆使して戦うという真田信繁に共感する部分があります。『見やんと!真田丸』を見てクスリと笑って楽しんでもらえたらと思います」と番組への思いを口にした。12月の最終回前にはスペシャルを放送する予定。本編とともに注目だ。

「見やんと!真田丸」http:/www.nhk.or.jp/wakayama/sanadamaru/miyanto.html

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2016年9月19日のニュース