巨泉さん「11PM」で20年司会 タブー打ち破り大人気

[ 2016年7月21日 05:40 ]

1990年、日本テレビ「11PM」謝恩パーティーに出席する大橋巨泉さん(左から4人目)

大橋巨泉さん死去

 「シャバダバ~」のテーマに乗って、「11PM」では約20年間司会を務めた。テレビではタブーだった麻雀や競馬のコーナー、さらに大胆なお色気路線で不動の人気となった。当時、番組ディレクターを担当していたUFO研究家の矢追純一氏(81)は「世間は午後11時前には就寝という認識でノースポンサーだったこともあり、11時以降は自由にできる雰囲気はありました」と回想する。

 ただ65年11月のスタート当初は報道スタッフが主導権を握っていた。構成作家として参加していた巨泉さんは堅い番組作りに不満を感じていた。それに同調した当時の制作スタッフが66年4月に巨泉さんを司会に起用。報道畑の人間をほぼ一掃してリニューアルした。風俗からUFOなどの超常現象まで軟派なテーマが多い中、時には沖縄返還問題など政治色の強いテーマも扱った。スタッフの一人は「女性の裸も、政治の話も分かりやすく話す。それが巨泉さんの凄さ」と振り返った。

 「11PM」で昭和の大人文化の象徴をつくり上げる一方で、70~80年代にかけて「クイズダービー」など家族向け娯楽番組でも手腕を発揮。共演者とアットホームなトークを展開し人気番組に育てた。「世界まるごとHOWマッチ」では日本語が話せるケント・ギルバートらを起用。外国人タレントの走りとなった。

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