松ケンの目に涙…恩師・森田監督への思い「今ぶつかれよって」

[ 2016年1月16日 12:31 ]

映画「の・ようなもの/ のようなもの」初日舞台あいさつで故森田芳光監督の妻で、プロデューサーを務める三沢和子氏からの手紙に目をうるませる松山ケンイチ

 俳優の松山ケンイチ(30)が主演する映画「の・ようなもの のようなもの」(監督杉山泰一)が16日、封切り初日を迎え、都内の映画館で初日舞台あいさつが行われ、松山のほか、ヒロインを演じた北川景子(29)らが登壇した。

 11年に他界した森田芳光監督(享年61)の劇場デビュー作「の・ようなもの」の35年ぶりの続編。森田監督の遺作である「僕達急行 A列車で行こう」(11年)に続いての主演となる松山は「以前に演じた小町のキャラクターをベースにしているのであまり新しいことはしていない」としながらも「森田監督には常にウケを狙うのが一番サムイと言われてきた。人間ってそのまま生きているだけでも面白いんだよって言っていたので、ウケを狙うというよりは、その人間のクセを意識して演じていました」と話した。次回作の役作り中という松山について、杉山監督が「松山くんの変わり具合がすごい」と風ぼうの変化にツッコミを入れ、笑わせる一幕もあった。

 本作には35年前と同じ役どころで出演している伊藤克信(57)、尾藤イサオ(72)、野村宏伸(50)らも出演。伊藤が「尾藤さんは劇中歌で紅白狙うって言ってましたよ!」と暴露すると、尾藤も「そのつもりでいます」とノリノリ。松山も「『の・ようなもの』はエンドロールを見て、青春のすべてが絵が中に曲とともに描かれているなという印象がある。今回も尾藤さんの曲が流れた時は感動しましたね」と話すと、伊藤は「我々、全員バックダンサーでいきますから。スケジュール空けておいてくださいね!」。これには北川も「踊り…?みんなで踊れば怖くないですね」と渋々ながら同意していた。

 イベントの最後には、故森田監督の妻で、プロデューサーを務める三沢和子氏からの手紙がMCによって代読された。「松山は自分と感性が一致すると、絶大なる信頼があった」と森田監督の思いを代弁しつつ、「日本を代表する若手俳優になられた松山さんの自分への厳しさには頭が下がります。今回も前座の役なので落語がうまくなりすぎた!という危機を迎えたぐらいです。役作りのためとはいえ、身体にはくれぐれも気をつけてくれよと、誰かが言ってますよ」と語りかけた。

 思わぬ手紙に松山は「森田監督ともっともっと一緒にやって、森田監督と自分も同じところに立って、ここはこうしたほうがいい!とかちょっと揉めたかった。揉めるところまでは行けなかったんです。その感性についていくのに必死だった。まだまだチャンスあると思ったら亡くなってしまった。まだまだチャンスあるなんて思っちゃダメなんだなと。今、ぶつかれよって思った」と目頭を熱くした。「スッキリする映画だと思う。疲れた人を連れてぜひまた劇場へください」と作品をPR。「出来上がって森田監督の意見が聞きたかった」としみじみ語った。

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