芥川賞受賞のピース又吉 読書好きの原点は太宰治と芥川龍之介

[ 2015年7月16日 19:48 ]

小説「火花」で芥川賞を受賞したピースの又吉直樹

 16日、中編小説「火花」(「文学界」2月号)で第153回芥川賞を受賞したお笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(35)。読書好きになる原点は太宰治と芥川龍之介だった。

 今年2月24日付のスポニチ本紙インタビュー。又吉は太宰が好きで、その代表作「人間失格」は自分のことと思えたほどという。

 「ボクは切なさというか、うまくことが運んでいない時の面白さが好き。太宰の短編なんかでは、みんな失敗して恥をかく。そんな太宰文学というのが根底にある。突き抜けた明るさの中にも哀愁はあると思う。そういうことを書きたかった」

 「火花」は、売れない芸人と先輩の交流を通し「才能とは」「人間とは」などの葛藤を描いた意欲作。登場人物は皆、悲しみを背負い、どこか優しく、笑って泣ける作品となった。

 そして、中学時代、読書にハマるきっかけになったのが、教科書に載っていた芥川の「トロッコ」。読んだ本は2000数百冊に及ぶ。

 芥川賞については「そこは何も考えずに書きました…」と淡々とした答えだった。しかし、今回、読書好きになった原点といえる作家の名を冠した栄誉ある賞を獲得した。

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