舞台「真田十勇士」来年1月早くも再演 脚本の中島氏、濃密化に自信

[ 2014年11月27日 08:05 ]

舞台「真田十勇士」の脚本を担当する中島かずき氏

 昨夏の初演から1年4カ月で早くも再演される舞台「真田十勇士」(来年1月8日初日、赤坂ACTシアター、主催・TBS、スポーツニッポン新聞社ほか)の脚本を書いた中島かずき氏(55)が作品への思いを語った。

 好評を博した昨年の初演から間を置かない形での再演、中島氏はより濃厚な脚本を作り上げた。豊臣と徳川がぶつかり合った大坂の陣から400年という節目の年。初演で自身も「納得しているところはあった」という、脚本はさらに濃密化、「整理してシンプルでスピード感のある形になった」とさらなる手応えを感じ取っている。

 出演メンバーは真田幸村役の上川隆也(49)、徳川家康役の里見浩太朗(77)、淀の方役の賀来千香子らほぼ同じ。主要な役で替わるのは、オリジナルキャラクターのハナを演じる黒川芽以(27)だけだ。中島氏は「彼女なりのハナを作ってくれたらいい。どう深めていくかプレッシャーはかかるけれど楽しみなところ」と話し、「いいバランス」という新鮮な黒川と初演メンバーの“化学変化”に期待を懸けている。

 400年前の史実がモチーフではあるが、中島氏は「時代劇を作ってはいるが、今悩んでいる人と同じで国を思ったり、人を守るという気持ちを向けることが出来る。幸村も40歳を過ぎて世に出た人、それまでは何者でもなかったが、徳川と戦い犬死ではなく次の世代への道をつなげた」と、輝く場所を見いだすことは現代にも通じる物語であるとした。

 今回は新年のスタートを飾る形になる。「見応えのある役者たち、見る価値のある舞台だと思う。自信を持ってお勧めできます」と初演を見た人も、初めて見る人にも楽しめる作品であることを訴えた。

 ◆中島かずき(なかしま・かずき)1959年生まれ。「炎のハイパーステップ」(85年)より座付き作家として劇団☆新感線に参加。「スサノオ」「髑髏城の七人」「阿修羅城の瞳」など歴史や神話をモチーフに物語性を重視し、複雑に絡み合う伏線を多用した脚本は、疾走感とグルーヴ感あふれる演出とあいまって劇団の代表作となっている。また「レディ・ゾロ」(03年)「ジャンヌ・ダルク」(10、14年)など外部への書き下ろし作品も多数。演劇以外にも映画やテレビの脚本、コミック原作や「仮面ライダーフォーゼ」(11年)「キルラキル」(11~12年)「映画 クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」(14年)の脚本などで幅広く活躍している。

 ▽舞台「真田十勇士」 2015年1月8~25日、赤坂ACTシアターで東京公演。脚本に「劇団☆新感線」座付き作家の中島かずき氏、演出に幅広いジャンルで活躍する宮田慶子氏を迎え、主演の真田幸村を上川隆也、敵対する徳川家康を里見浩太朗が演じる。柳下大、黒川芽以、そして賀来千香子らベテランから若手の豪華メンバー出演の大型時代劇。主題歌は中島みゆきが担当する。

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2014年11月27日のニュース