柳美里さん「創」原稿料未払い問題決着 1/5に圧縮で譲歩

[ 2014年11月5日 13:55 ]

柳美里さん=2004年撮影

 雑誌「創」の原稿料未払いを訴えていた芥川賞作家の柳美里さん(46)が4日、自身のブログを更新。問題が決着したことを明かした。

 柳さんは2007年8月に雑誌「創」でエッセー「今日のできごと」の連載を開始したが、10月に自身のブログで「もう何年も稿料が支払われていない」と主張。同誌の篠田博之編集長も「早急に話し合いをし、対処したいと考えています」と雑誌の公式ブログで考えを示していた。

 4日に更新した柳さんのブログによると、400字詰原稿用紙1枚あたりの原稿料が2万円で、これまでに656・4枚分の原稿を書いたことから、7年間の総額は1312万8078円になると計算。その一方で同誌からこれまでに振り込まれた原稿料は176万円。未払い対談料も加え、総計1142万8078円が返済額になると説明した。

 だが、「1日も早く『創』稿料未払い問題を解決して執筆に集中したい」との考えから、1枚4000円という『創』内規の最低稿料で譲歩し、篠田編集長と「覚え書き」を交わしたという。

 源泉所得税などが引かれることもあり、柳さんへ振り込まれたのは140万8706円。「これ以上問題を長引かせると、お互いにダメージが大きくなる、という篠田編集長の判断によって、本日、全額返済していただきました」と4日付で未払い原稿料を決着させたことを報告した。

 これにより健康保険未納金や息子の塾代、日本文藝家協会正会員会費などを支払ったという柳さん。未払い原稿料が支払われても苦しい生活は続くとしているが、「毎日、見知らぬひとから支払い督促の電話がかかってこないだけで、天と地ほどの差がある」ことから、「篠田さんが土壇場で見せてくださった『誠意』に感謝いたします」とつづった。

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