江口洋介 原発20キロ圏内を取材「これからは精神的な復興が大事」

[ 2014年9月24日 06:00 ]

浪江町から出る時、スクリーニング検査を受ける江口洋介(C)テレビ東京

 俳優の江口洋介(46)が30日放送のテレビ東京「ガイアの夜明け」(火曜後10・00)で、福島第一原発から半径20キロ圏内の地域に入った。復興への道のりを経済的視点から掘り下げる「復興への道」シリーズ第17章。過去3度、被災地を取材してきた江口が、今の福島をリポートする。

 昨年4月から「避難指示解除準備区域」になり、日中の出入りには特別な許可が必要なくなった福島第一原発から半径20キロ圏内の地域。

 今回は(1)福島第一原発から6・5キロ…浪江町の今(2)元東電マン…福島復興のため一生を懸ける(3)20キロ圏内に“働く場”作りたい…37歳の挑戦」を送る。(2)は生まれ故郷復興のため、残りの人生を捧げる64歳の元東電マン・半谷栄寿さん(64)(3)は南相馬市の絹織物産業復活を目指す和田智行さん(37)を追う。

 ▼江口洋介 テレビのニュースで福島での除染の様子や港を作り直す様子などを目にしてはいましたが、実際に福島第一原発から20キロ圏内の場所に行ってみて、放射線量も東京とあまり変わらない場所が多かったですし、テレビで見ているよりもほのぼのとしている印象を受けました。

 今回、番組で取材している半谷さんと和田さんに実際にお会いしてみると、福島の被災地に帰ってこられる場所・コミュニティーを作って、地元の人たちを元気づけたいという行動を起こしていて、思っていた以上に前向きだなと感じました。最終的には子供たちが選ぶことだと思っているのでしょうが、子供たちが帰ってこられる場所を作りたい、自分のやりたいことをやって、その姿を子供たちに見せたいというすごい信念を感じました。

 最初に被災地に来た時(2011年8月)には、土地がひび割れ、家がひっくり返っていて、その様子を見て私も言葉が出ませんでした。しかし、それから3年がたって、道路も開通して、港もある程度できてきてはいますが、これからは家族の絆とか、親が子に伝えたいものとか、そういう精神的なもの、ある種、生き方という意味での復興が、ものすごく大事になってくるのではないかなと感じました。

 ▼野口雄史チーフプロデューサー 今回、福島第一原発から20キロ圏内に撮影に行くと言ったら「防護服を着るの?」と、かなり多くの人から言われました。実際には20キロ圏内でも一部の地域では既に日中の出入りは自由になっていて、放射線量もそれほど高くありません。もちろん皆さん、普段通りの格好です。コンビニエンスストアも開業しています。あらためて福島の情報が東京にあまり届いていないんだなと感じました。

 案内人の江口洋介さんはよく「3月11日の前後だけ震災の企画をやるのではなく、継続的にやっていきたい」と語っています。今回も、福島のニュースが東京で減っている中、今の福島を、そして復興に向けて頑張っている人たちを取材するのはとても意義があることではないかと、自ら進んで福島のロケに入りました。「これからの人生を、ふるさと・福島の復興に懸ける…」そう誓った人たちに、江口さんがじっくりとインタビューをしています。どうぞご期待ください。

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