右近健一 二面性持った聖職者役、個性豊かな共演陣との絡み楽しむ

[ 2014年6月24日 07:30 ]

「天才執事 ジーヴス」でハロルド・ピンカー役を演じる右近健一

 7月4~13日に日本初演を迎えるミュージカル「天才執事 ジーヴス」(東京・日生劇場、スポニチ主催)で主演のウエンツ瑛士(28)と幼なじみで牧師のハロルド・ピンカー役を務める俳優の右近健一(46)が、舞台への意気込みを語った。

 同作品は、ウエンツ演じる英国貴族と里見浩太朗(77)扮する執事が繰り広げるコメディー。この2人を軸に、右近、樹里咲穂(42)、高橋愛(27)、モト冬樹(63)、なだぎ武(43)ら個性豊かな出演者が、さまざまな絡みを繰り広げる抱腹絶倒のストーリーだ。

 右近演じる役柄は、いわく「アホな牧師」であらゆる物をぶち壊してしまうという、聖職者とは二面性を持った人物。「(その役に)ひねりや皮肉を込められている」と人間の複雑さを表現することになる。日本で初めて公演される作品とあって「日本人でどう表現するのか、面白くなるのでは」と経験豊富な右近自身が楽しみにしている。

 主演でミュージカル初挑戦のウエンツについては「よく動いて素晴らしい。コメディーにぴったり」と適性に太鼓判を押し、同じく初挑戦の里見には「恐ろしいほどの安心感。優しい空気を感じます」と何の違和感もない様子だ。

 このほかにもエハラマサヒロ、つぶやきシローといったお笑い界でも個性の際立つ存在も共演。「みんな仲良く、楽しい人が集まっているので“からかいあって”千秋楽までいけたら。温かい空気が伝わったらいいと思う」と、近づく公演への思いを語った。

 ◆右近 健一(うこん・けんいち)愛媛県出身。1989年「ヒデマロ4」より劇団☆新感線に参加。歌唱指導をはじめとして新感線の音楽セクションにおいて演出を支えている。独特の奇抜なキャラクターや歌える役者としての客演も多い。ユニット「短い演劇推進委員会」を主宰、音楽劇「ハックルベリーにさよならを」では出演のみならず演出・作詞・作曲も手掛けた。ジャズユニット「ええ加減4」とシャン・シャン・シャンソンショーでは、訳詞と作詞を手掛ける。主な作品/「蒼の乱」「ZIPANG PANK五右衛門ロックIII」「シレンとラギ」「サイケデリック・ペイン」「ロッキー・ホラー・ショー」(いのうえひでのり演出)、「真夜中のパーティー」(青木豪演出)、「EVIL DEAD~死霊のはらわた」(河原雅彦演出)、「トライアンフ・オブ・ラブ」(小池修一郎演出)ほか。

 ◆「天才執事 ジーヴス」 1975年、英国で小説を基に製作された演目。作曲は「オペラ座の怪人」などで知られる大物アンドリュー・ロイド=ウェバー氏。作詞は英人気劇作家のアラン・エイクボーン氏が手掛けた。2001年にブロードウェーに進出。本公演が日本初上陸となる。欧米では「間抜けで楽しいドタバタ劇」「最高に明るいこのミュージカルの魅力は本物」「気ままで目まぐるしいエネルギッシュな展開」「このミュージカルを見た夜は、陽気な気分に包まれた」と評されている。

 ≪ストーリー≫教会のホールにて、主人公バーティ・ウースター(ウエンツ)が演奏会を開こうとした矢先、彼が使う予定だったバンジョーが消えてしまう。バーティに仕える賢く冷静な執事ジーヴス(里見)が観客を楽しませるために代わりに提案したのが即興劇。バーティが友人たちの恋を成就させるため悪戦苦闘した武勇伝を披露しようというのだ。かくして、バーティの友人役として演奏会のスタッフまでもステージに巻き込み、ジーヴスが脚本家、演出家、舞台監督をこなすという即興劇の狂想曲が幕を開ける。

 チケットの取り扱いはホリプロチケットセンター=(電)03(3490)4949=まで。

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