周防監督「終の信託」で4度目栄冠「次は楽しい作品を」

[ 2013年1月18日 06:00 ]

4度目の大賞に笑顔の周防正行監督

2012年毎日映画コンクール 日本映画大賞

 終末医療の現場で起こる生と死の問題に真っ正面から取り組んだ周防正行監督(56)の「終の信託」が日本映画大賞に輝いた。

 周防監督にとって「シコふんじゃった。」(92年)「Shall we ダンス?」(96年)「それでもボクはやってない」(07年)に続いて自身4度目の栄冠。山田洋次、故小林正樹両監督に並び、上にいるのは6回の黒澤明、5回の今井正という亡き巨匠だけ。「映画らしい映画」という高い評価に「光栄です」と笑顔を見せた。

 題材を初めて小説から採り、デジタル全盛の中、あえてフィルムで撮影。女医を演じた妻の草刈民代(47)、患者役の役所広司(57)、検察官に扮した大沢たかお(44)ら俳優たちの力量を信頼しての演出や音楽の使い方など、どれをとってもプロの仕事を感じさせた。

 「“それでもボクはやってない”を撮る前に大島渚監督の“絞死刑”を見直した。社会と対じするというか、腹のくくり方はすごいなあとあらためて思った。僕たちがそうだったように見た人の人生を変えてしまうような、大人の観賞に堪えうる作品を作り続けたい」と決意を新たにする周防監督。「司法はライフワーク」と言うが、「次は楽しい作品を準備している」と明かした。

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2013年1月18日のニュース