黒柳徹子「放浪記」衣装で弔辞「こんなつらい別れない」

[ 2012年12月8日 06:00 ]

森光子さんと共演した舞台「放浪記」の衣装を着て、弔辞を述べる黒柳徹子

 先月10日に92歳で死去した女優森光子さんの本葬が7日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。芸能界などの関係者約1000人が参列、約1300人のファンが献花に訪れた。50年にわたり親交を深めた黒柳徹子(79)は「こんなつらいお別れはありません」と涙ながらに弔辞を読み上げた。森さんを母親のように慕うジャニーズ事務所のタレントも多数参列し、別れを惜しんだ。

 黒柳は共演した舞台「放浪記」の衣装で、優しくほほ笑む森さんの遺影の前に立った。

 「森さんは必ず舞台に戻っていらっしゃると信じていました。残念です。森さんが一番残念だと思っていらっしゃるでしょうね。ですから今も、放浪記の最後のシーンで机に寄りかかったまま寝ていらっしゃるのだと思っていますね」

 森さんは病室にも同作の台本を持ち込み、最後まで復帰を目指していた。心から敬愛する先輩とのお別れに、その衣装がふさわしいと考えたのだろう。アップにした髪形に似合う、フリルの付いた衣装を身にまとった黒柳は、涙を拭いながら語り掛けた。

 「出させていただいた時“徹子ちゃん、好きなようにやってね。何にもとらわれないでね。そうすれば私も変われるから”って。2000回になろうという時もまだ変わろうとしていらした」と、森さんの尽きることのない役への情熱を披露した。

 姉と妹のような付き合いは半世紀を超えた。森さんが40歳、黒柳が27歳の時、NHKドラマ「若い季節」で初共演したことがきっかけだ。仕事のほかにプライベートでも旅行に行ったり、連絡を取り合うなど楽しく過ごした長い月日を思い浮かべたようで、「女学校の上級生と下級生のような関係のまま、50年以上お世話になりました」と頭を下げた。そして「“あなたとお食事に行きたいからリハビリしています”が最後の言葉になりました」と涙をみせた。

 「森さんの女優魂は私たち後から行く者を導いてくださるものと信じて生きていきます。本当にありがとうございました」と遺影に向かって手を振り、そっと別れを告げた。

 ◇主な参列者 ビートたけし、萩本欽一、志村けん、加藤茶、笑福亭鶴瓶、八千草薫、丘ルリ子、堺正章、山本学、三浦友和、松原智恵子、渡辺えり、浜木綿子、和田アキ子、工藤静香、木村佳乃、米倉涼子(以上俳優、歌手、タレント)KinKi Kids、V6、KAT―TUN、関ジャニ∞、NEWS、Hey!Say!JUMP、A.B.C―Z、今井翼(以上ジャニーズ)王貞治、野茂英雄(以上スポーツ関係者)石井ふく子=テレビプロデューサー(順不同、敬称略)

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