桂文枝 パリで創作落語 「言葉分からなくても通じる」と称賛

[ 2012年12月8日 09:44 ]

パリで襲名披露公演を開いた桂文枝

 上方落語の大名跡を襲名した桂文枝(69)が7日夜(日本時間8日未明)、パリ日本文化会館で襲名披露公演を開き、自作の創作落語で観客の笑いと涙を誘った。

 演目は、人をかんだため処分が決まったワニを助けようと動物園の飼育員が奮闘する「ワニ」。文枝は日本語で演じ、フランス語の字幕を付けた。満員の約270人のうち4割はフランス人だった。

 落語は初めてというパリ在住のエルベ・シャロンさん(65)は「悲しい話の中にも笑いのエッセンスがあり素晴らしい」と絶賛。図書館司書のキム・ティスランさん(23)は「表情や声音で人を演じ分けるテクニックがすごい。言葉が分からなくても通じる」と感心していた。

 「日本独自の芸能である落語を海外に紹介したい」と襲名披露としては異例の海外公演に踏み切った文枝。「フランス人にもきちんと伝わるよう丁寧に演じた。日本の伝統を理解してもらえたような気がする」と話した。

 公演は8日まで。2日目は絶交した直後に死別した親友の思いを男が後に知る「仲直り」を演じる。(共同)

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2012年12月8日のニュース