藤原竜也 4年越し!井上ひさしさん幻の舞台作品主演

[ 2012年12月5日 06:00 ]

井上ひさしさんの幻の作品に挑む藤原竜也

 10年4月に肺がんで死去した作家井上ひさしさん(享年75)が闘病中に脚本を執筆していた舞台「木の上の軍隊」が、藤原竜也(30)主演で上演される。10年7月に藤原主演で予定されていたが、同4月に井上さんの治療を優先して延期。直後に亡くなったため幻の作品となっていた。

 井上さんは09年秋に肺がんが見つかった。その後、脚本に取り掛かり、翌10年2月に上演を発表したが、わずかなメモを残して亡くなった。沖縄県・伊江島の森で、2人の日本兵が終戦を知らずに潜伏していた実話がベース。井上さんが長く温めていた作品で、90年4月にも上演を発表しながら、脚本執筆の遅れで、本番3週間前に断念している。今作は若手作家の蓬莱竜太氏(36)が脚本を担当。井上さんからの信頼が厚かった栗山民也氏(59)が演出を手掛ける。

 藤原が新兵役で、テレビ朝日「相棒」シリーズで警視庁組対5課長役の山西惇(49)が上官を演じる。実話と同じく、物語は大半をガジュマルの木の上で展開。井上さんは生前、藤原の演技を高く評価しており、ファンクラブ会員だったほど。藤原は、“幻の公演”の代わりに上演された井上さん作の舞台「默阿彌オペラ」にも主演しており「“默阿彌”は自分の血肉になっている。お客さまと井上さんに胸を張れる素晴らしい作品にしたい」と意気込む。

 また、片平なぎさ(53)が11年ぶりに舞台に挑戦し、語り部を務める。「今から心臓が張り裂けそうなほど緊張している」と話している。

 東京公演は来年4月5~29日に渋谷シアターコクーン、5月3~6日に天王洲銀河劇場で。

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2012年12月5日のニュース