勘三郎さん宅 歌舞伎俳優ら弔問客が続く…ファンも涙

[ 2012年12月5日 21:14 ]

中村勘三郎さんの自宅を後にする市川海老蔵

 5日亡くなった歌舞伎俳優中村勘三郎さんの東京都文京区の自宅には早朝からマスコミが詰め掛け、夜になっても弔問客が続いた。

 松本幸四郎、市川海老蔵ら歌舞伎の人気俳優たちが訪れ、白い花が続々と届けられた。路上や通り掛かった車中から、手を合わせるファンの姿も。市川中車(香川照之)は父市川猿翁、長男団子君と姿を見せ、帰り際、涙を浮かべて言葉少なに車に乗り込んだ。

 コクーン歌舞伎でタッグを組んだ盟友串田和美らも訪れ、幅広い交友をうかがわせた。

 夜になり、尾上菊五郎らも公演を終えて駆け付け、坂東玉三郎は硬い表情で「お客さまが劇場に足を運んでくれることを第一に考えていた。あの人の人生は芝居しかなかったと思います」と語った。

 公演中の劇場では、ファンから名優の早すぎる死を惜しむ声が上がった。京都・南座の顔見世公演に訪れた和歌山市の自営業の男性(60)は「勘三郎さんの芝居は工夫を凝らした新しい舞台だった。まだまだ見たかった」と涙ながらに話した。

 東京・新橋演舞場に来た埼玉県志木市の松島敬子さん(63)は「これからの人だったのに…。華があって何をやらせてもうまい役者だった」と悲しんだ。

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