勘三郎さん長男・勘九郎は襲名披露公演中…悲しみこらえ舞台へ

[ 2012年12月5日 11:09 ]

南座に入る、中村勘三郎さんの長男勘九郎

 5日亡くなった歌舞伎俳優中村勘三郎さんの自宅がある東京都文京区の住宅街は、早朝から弔問客が相次ぐなど慌ただしい雰囲気に包まれた。父と同じ歌舞伎俳優の道を歩んだ息子2人は、父の死去当日も悲しみを抱えたまま京都の公演をつとめた。

 自宅には歌舞伎俳優の坂東三津五郎や松本幸四郎らが訪れ、白い花が続々と届けられた。路上や通り掛かった車中から、手を合わせるファンの姿も見られた。

 勘三郎さんの長男勘九郎(31)と次男七之助(29)は午前9時すぎ、公演中の京都市東山区の南座にタクシーで到着。報道陣の問い掛けに無言のまま楽屋口に向かった。

 勘九郎は黒のスーツに黒のネクタイ姿。2人は5日の公演も予定通り出演、ほかの役者らも言葉なく楽屋入りした。公演を見に来た和歌山市の自営業の男性(60)は「勘三郎さんの芝居は、げたでタップダンスをするなど、工夫を凝らした新しい舞台だった。まだまだ見たかった」と涙ながらに話した。

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