中村屋一門が金沢興行 “原点”河原で舞う歌舞伎

[ 2012年8月17日 21:40 ]

犀川河川敷で披露された「金澤河原歌舞伎」

 歌舞伎俳優の中村勘三郎(57)が監修し、江戸時代初期の歌舞伎発祥時の魅力を伝える「金澤河原歌舞伎」が17日、金沢市で始まり、中村屋一門の俳優が3演目を披露した。公演は、歌舞伎の「原点」とも言える河原が舞台。全国で適地を探し、加賀藩政下で盛んに興行された金沢市内の犀川河川敷が選ばれた。

 江戸時代の庶民の娯楽に思いをはせながら楽しんでもらおうと、当時の舞台を忠実に再現。中村七之助(29)は開演前「風向きや気温によって表情が変わる、屋外ならではの舞台を楽しんでほしい」と話した。

 「弁天娘女男白浪―稲瀬川勢揃いの場」の演目では、豪華な衣装に身を包み、盗賊に扮した俳優が花道に登場すると、客席から「待ってました」と声がかかった。俳優がせりふを朗々と連ねる場面では大きな拍手が起きた。

 一門で最年少の中村鶴松(17)は旅芸人の姿を描いた「越後獅子」で独り舞台を務めた。

 歌舞伎は1603年に出雲の阿国が京都・鴨川の四条河原で演じたのが発祥とされ、金沢市では犀川や浅野川沿い、寺社などで催されたという。

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2012年8月17日のニュース