立川談志さんお別れの会 親友石原都知事が弔辞「あばよ」

[ 2011年12月22日 06:00 ]

<立川談志・お別れの会>弔辞を述べる石原慎太郎都知事 (c)Tomohiro Akutsu

 先月21日に喉頭がんのため75歳で死去した落語家の立川談志(たてかわ・だんし、本名松岡克由=まつおか・かつよし)さんのお別れの会が21日、東京都千代田区のホテルニューオータニで開かれた。関係者1000人、一般ファン3000人が参列。東京都の石原慎太郎知事(79)は「死んでもしゃべるヤツ」と弔辞を読み“落語界の風雲児”の死を悼んだ。

 白菊3000本が飾られた祭壇の中央には座布団が敷かれた。愛用の湯飲みと扇子も置かれ、高座の雰囲気を再現。笑顔の遺影を見上げ、石原都知事は「死んでもしゃべるようなヤツ。生きてる間にしばしの沈黙を、神様が与えたんだろう」と、声を出せなくなった親友の闘病生活を思いやった。さらに「あの世で会えるから、それまで元気でいてくれ。あばよ。さようなら」と別れを告げた。

 立川流顧問でもあるイラストレーター山藤章二さん(74)は「気にくわないことばかり言われても、大好きになってしまう空前絶後の男」と故人を懐かしんだ。

 生前の映像とともに、談志さんが愛した「ザッツ・ア・プレンティ」など軽快なジャズが流れる中、芸人たちは笑いと毒を交えて話した。お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光(46)は「落語でも講談でも浪曲でも、一字一句完璧に覚えていて話してくれた」と驚くと、田中裕二(46)は「ヤフーなみでしたよ」と笑わせた。三遊亭円楽(61)は「今年は“独裁者”が多く亡くなったね」と冗談めかした。

 才能にあらためて驚く声も多く、歌舞伎俳優の中村勘三郎(56)は「狂気の天才。そういう人と酒をくみ交わせた時代は宝物」。元タレントで「立川右太衛門」の高座名を持つ上岡龍太郎さん(69)は「あまりの才能の豊かさを、自分の体で御せなかったのかも」と話した。

 愛弟子の立川志の輔(57)は「弟子全員を合わせても、談志1人分にならない。でも、少しずつ芸を継承している。そのうち分かってもらえると思う」と力を込めた。

 ◇主な参列者 立川志の輔、立川志らく、立川談春、ヨネスケ、笑福亭鶴瓶、桂文珍、中村勘三郎、中村勘九郎、ミッキー・カーチス、ビートたけし、和田アキ子、由美かおる、爆笑問題、高田文夫、中尾彬、高橋英樹、中山秀征、デーブ・スペクター、テツandトモ、松村邦洋、古舘伊知郎、久米宏、鳩山由紀夫元首相、大林宣彦監督 (順不同)

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