森田作品出演俳優ら衝撃…役所「病気知らなかった。情けない」

[ 2011年12月22日 06:00 ]

市川森一さん告別式に参列した役所広司は、森田芳光監督の死去と重なり沈痛な表情

森田芳光監督死去

 森田芳光監督の訃報を受け、作品を彩った俳優らからは悲しみの声が相次いだ。遺作となった「僕達急行 A列車で行こう」(来年3月24日公開)で主演した瑛太(29)は「独自の世界観に心を強く揺さぶられた」と明かし、松山ケンイチ(26)は「本当にたくさんのモノをいただいた」と故人をしのんだ。

 森田監督の強い意向で「僕達急行」に起用された瑛太。この日朝、テレビ番組に生出演した後、訃報を知った。午後に主演映画「ワイルド7」の舞台あいさつに出席し、その後、マスコミ各社にコメントを送付した。

 「初めてお会いした時から、映画を愛し、人間を楽しむという森田監督独自の世界観に心を強く揺さぶられていました」と追悼。「監督の作品に携われたことを自分の胸に深く刻んで、これからも俳優として歩んでいきます」と悲しみをこらえた。

 一方、「サウスバウンド」「椿三十郎」にも出演した松山は「監督独特のせりふまわしや笑い、思わずニヤリとしてしまうキャラクターに温かい気持ちと、前向きな気持ちをいただいていました」と回顧。鉄道好きの青年の友情を描いた「僕達急行」の現場で、森田監督は趣味を持たない人間の怖さを話していたといい「趣味を持つことでつながりができ、つながることでさまざまな障害やジャンルを越え、助け合うことができるのだと解釈しました」と思いをはせた。

 「失楽園」に主演した役所広司(55)と「おいしい結婚」などに出演した三田佳子(70)は、脚本家市川森一さんの葬儀・告別式で早すぎる死を聞いた。役所は当時を振り返り「私もまだ若く、10歳も上の役は無理だと断った。だけど、説得された」と話し「(市川さんと)2人とも病気だったのを知らなかった。情けない。これからは大切な人と連絡を取り合うようにしなければ」と悔しさをにじませた。

 三田は「これから、おばあちゃんになった私を描いてほしかった」と涙を浮かべた。

 ▼木梨憲武(とんねるずとして映画「そろばんずく」で主演)私事ではありますが、この作品で妻(安田成美)と出会い、今に至ります。思いがけない訃報に接し、信じられない思いです。

 ▼織田裕二(映画「椿三十郎」で主演)突然の訃報にただただ驚いております。お世話になった撮影の日々を思い出すばかりで、今はなんとも言う言葉がありません。

 ▼堺雅人(映画「武士の家計簿」で主演)ある時は巨人のように、ある時は手のつけられない駄々っ子のように、スタッフを巻き込みながら、ご自身の撮りたいものを撮っていました。ご一緒したという思いを胸に、これから頑張っていきたいと思います。

 ▼仲間由紀恵(「武士の家計簿」でヒロイン役)昨年の初めに京都の撮影でご一緒させていただいた際に、現場の皆さんと監督のお誕生日のお祝いをしたことや、年末の映画公開のキャンペーンで金沢にご一緒したりしたことが、きのうのことのように思い出され、大きな悲しみに包まれています。

 ▼中居正広(映画「模倣犯」で主演)「模倣犯」でお世話になり、それ以来なかなかお会いする機会もありませんでしたが、突然の訃報に驚いております。心よりお悔やみ申し上げます。

 ▼映画監督・大森一樹氏 ただただ驚いている。ベテランの域に入り、これからどんな作品を撮るのかというときに、こんな早く亡くなるとは…。同じ世代で非凡な才能を持った人だから、ずっと気になってライバル視していた。シャイな面のある人だったと思う。残念だ。

 ▼黒木瞳(映画「失楽園」「阿修羅のごとく」に出演)失楽園の演出においては語り尽くせない思い出があります。阿修羅のごとくでの演出ではより一層監督の偉大な演出を感じました。日本映画界において森田監督の不在は言葉にできないほど無念で仕方ありません。

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2011年12月22日のニュース