中畑清氏が橋渡し 奇跡のピアノでコンサート

[ 2011年11月2日 06:00 ]

村沢茜里さんの伴奏で校歌を合唱する久之浜第一小の児童たち。被爆ピアノの後方が中畑氏

 ヒロシマ被爆ピアノがフクシマで復興エールの調べ――。爆心地から1・8キロの距離で被爆しながら奇跡的に生き残ったピアノによるコンサートが1日、福島県いわき市の久之浜第一小学校の体育館で開かれた。

 ピアニストの西郷正昭氏から被災地でのコンサート開催を相談されたスポニチ本紙野球評論家の中畑清氏(57)が橋渡しして実現したもので、西郷氏のソロ演奏のほか、男性ボーカルユニット「サクラマジ」の歌で約1時間。会場に集まった久之浜第一、第二小の生徒、保護者ら約250人が奇跡の調べを楽しんだ。

 ピアノは1932年(昭7)製造のヤマハ製。4歳のときに買ってもらい17歳で被爆した女性から6年前に「平和のために使ってください」と譲り受けた広島市のピアノ調律師、被爆二世の矢川光則さん(59)が全国行脚を開始。昨年は米ニューヨークにも渡った。

 お礼に校歌を送り、被爆ピアノで伴奏した村沢茜里(あかり)さん(6年)は「いつも弾いてるのと違って歴史が詰まっている感じで、凄く音色がきれいだった」と興奮気味に話した。

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2011年11月2日のニュース