押尾学被告に懲役6年求刑 「自己保身で見殺し」と検察

[ 2010年9月14日 10:55 ]

押尾学被告

押尾被告「見殺しにするような人間ではない」

 合成麻薬MDMAを一緒にのんで死亡した飲食店従業員田中香織さん=当時(30)=を救命しなかったとして保護責任者遺棄致死罪などに問われた元俳優押尾学被告(32)の裁判員裁判が14日、東京地裁(山口裕之裁判長)で開かれた。検察側は「自己保身のために田中さんを見殺しにした犯情は悪質」として、懲役6年を求刑した。
 この日は第7回公判。被告が最終陳述で「わたしは見殺しにするようなことは絶対にしていない。そのような人間ではない。昨日話したことが真実です」と述べて結審。評議は14日午後から始まり、3日間にわたり行われる予定。判決言い渡しは17日午後3時。
 検察側は論告で「専門医に治療させれば救命できた。仕事や家族を失うと考えて119番しなかったのは明らかに不保護に当たる」と指摘。「常習的に薬物を使用しており、再犯の恐れが高い。不合理な弁解に終始して反省も皆無だ」と非難した。
 これに対し、弁護側は最終弁論で「田中さんは自分で持ってきたMDMAを自発的にのんだ。容体急変後は一生懸命に心臓マッサージと人工呼吸をしており、放置していない」と主張、遺棄致死とMDMA譲渡の二つの罪についてあらためて無罪を主張した。
 田中さんは昨年8月2日午後5時50分ごろに容体が急変。検察側は、被告がMDMA服用の発覚を恐れて放置したため6時47~53分ごろに死亡した、としている。
 弁護側主張の死亡推定時刻は午後6時ごろ。被告は13日の被告人質問で救命措置を尽くしたと強調。「田中さんが亡くなったので、119番よりも薬を抜くのを優先させた」と反論した。

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2010年9月14日のニュース