[ 2010年2月1日 06:00 ]

読売日響との相性が抜群のセゲルスタムは、難曲といわれる第7b交響曲「夜の歌」を取り上げる

 2月は読売日本交響楽団も定期公演(19日)で難曲、第7番ホ短調「夜の歌」に挑む。指揮はこのオケと深い信頼関係を構築しているフィンランドの実力派レイフ・セゲルスタム。ブラームスを連想させる風体のセゲルスタムだが、マーラーは北欧の作品やワーグナーと並んで彼の十八番のレパートリー。デンマーク国立放送響と全交響曲をCD化しているほか、06年1月に読響に客演した際には第2番ハ短調「復活」でスケールの大きな演奏を聴かせてくれたことは記憶に新しい。第7番は楽器編成が大きい上にギターやマンドリンを含むなど変則的で、5楽章からなる楽曲全体の構成がとても複雑なことが仇となり、取り上げられることが少ない作品。しかし、「夜の歌」の副題の通り、世紀末の雰囲気をいっぱいに湛えた繊細かつ大胆な作品であり、良い演奏に出会うことができれば、この上ない美しさを味わうことができる。まさに演奏者の力量が問われる難曲といえよう。実演が少ないだけに、この機会にぜひ、生で聴くことをお薦めしたい。

 一方、読響はマーラー・イヤーの先陣をきって、去る1月22日の定期公演で米国の女性指揮者マリン・オルソップを客演指揮に迎えて、第1番ニ長調「巨人」を取り上げている。

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2010年2月1日のニュース