[ 2010年1月25日 06:00 ]

「スカルピア、地獄へ!」と叫びながら身投げするトスカ ※舞台写真は新国立劇場提供/三枝近志撮影

 その一方で、今回の「トスカ」のように、完成度の高いレパートリー公演もキッチリと観て行きたい。ちなみに、新国立劇場での次の鑑賞予定は、キース・ウォーナー演出によるワーグナーの「ニーベルングの指環」から第2夜「ジークフリート」(2月)と第3夜「神々の黄昏」(3月)です。いわゆる「トーキョー・リング」の呼び名で注目された人気プロダクションで、昨年、序夜「ラインの黄金」と第1夜「ワルキューレ」が再演され、今年、後半2作がされます。「ワルキューレ」では、戦乙女(ワルキューレ)のブリュンヒルデが父で神々の長ヴォータンに逆らったがために神性を奪われた上に、炎が燃え盛る岩山の頂上に眠らされ、幕が降ろされました。ブリュンヒルデはどうなるのか、無敵の英雄ジークフリートとは、そしてプレミエ時にさまざまな論議を巻き起こしたウォーナーの演出はどのように展開していくのか、楽しみは尽きません。

 最初に述べたようにオペラの楽しみ方は本当に多種多様です。それが私にも実感として分かり始めたように感じられます。さらに多くの楽しみを見つけるべく、今年は昨年にも増して頻繁に劇場に足を運ぶことになりそうです。

続きを表示

2010年1月25日のニュース