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第２幕カヴァラドッシ（カルロ・ヴェントレ）を厳しく尋問するスカルピアとスポレッタ（松浦健）

　そして、私がいよいよトスカの“共犯者”になっていったのは第2幕、舞台はファルネーゼ宮の一室。スカルピアがカヴァラドッシを尋問している時、恋人のトスカは近くの祝賀会場で歌を披露しています。舞台裏から聴こえるトスカと合唱によるカンタータ。その歌声をバックに、眼前で繰り広げられるスカルピアとスポレッタ（松浦健）によるカヴァラドッシへの厳しい尋問。決して口を割らないカヴアラドッシに、それは拷問へとエスカレートしていきます。あたかも舞台裏では華やかな祝賀会が本当に開かれており、実際の舞台と客席が、実はその舞台裏であるかのような錯覚に陥るのです。私はさしずめ、スカルピアのいる部屋に、偶然居合せてしまった祝賀会の出席者。間が悪いな、という気分でいっぱいになりました。