[ 2009年12月12日 06:00 ]

NHK交響楽団の第9を指揮するドイツの巨匠クルト・マズア

 さて、コンシェルジェによると今年の注目は、なんといってもドイツの巨匠クルト・マズアと、ヨーロッパと米国をまたにかけて目覚しい活躍を続けるフィンランド出身の名指揮者オスモ・ヴァンスカ、だそうです。まずは、NHK交響楽団の指揮台に立つクルト・マズア。創立266年の伝統を誇るライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスター(首席指揮者)を26年間務めた後、ニューヨーク・フィルハーモニックやロンドン・フィルハーモニック管弦楽団の音楽監督を歴任するなど、そのキャリアは輝きに満ちています。しかし彼を語る上で欠かせないのが、指揮者であると同時に、後世に記憶されるべきヒューマニストでもあるという点です。1989年、ベルリンの壁崩壊直前にライプツィヒで起きた「月曜デモ」を平和的解決へと導き、ドイツ統一後には、大統領候補にもなりました。80歳を過ぎた今もなお、教育や平和活動に力を注ぎでいるそうです。

 コンシェルジェによるとマズア指揮N響による第9の聴きどころは、「国内屈指の合奏能力を持つN響が巨匠マズアを迎えて、ドイツの伝統に根ざした重厚なベートーヴェンを聴かせてくれることが期待される。現在、ベートーヴェンといえば、作曲家在世当時の奏法、いわゆるピリオド奏法を取り入れるなど新しい解釈を基にした演奏が全盛ですが、マズアは恐らく20世紀型の堂々たるベートーヴェン像を描き出してくれるはず。大切なことは、どんなスタイルの演奏をするかではなく、ベートーヴェンの精神にどこまで肉薄できるかで、長いキャリアを積み重ねてきたマズアならではの洞察がオーケストラと聴衆にどんな霊感をもたらすか」だそうです。

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2009年12月12日のニュース