山古志村の復興が映画に「たくましさ感じて」

[ 2009年10月23日 18:35 ]

 新潟県中越地震で全村避難を強いられた旧山古志村(現長岡市)の復興の歩みを追ったドキュメンタリー映画「1000年の山古志」が完成し、地震から5年の23日、新潟市で上映された。

 橋本信一監督(48)は「山間地で暮らす人のたくましさ、村の復興にかける思いを感じてほしい」と話している。
 映画は、道路が寸断し集落が水没するなど大きな被害が出た山古志で、住民が生活を再建していく姿に密着。撮影は4年にわたり、スタッフは仮設住宅近くのアパートや民家に滞在しながら撮り続けた。
 途中、資金不足で撮影が危ぶまれた際は、仮設住宅に暮らす住民が支援を呼び掛け、全国から1200万円以上の協力金が集まった。
 約3年に及ぶ避難生活を経て住民の約7割が戻った。土砂崩れで川がせき止められて自宅が水没し、飼っていた牛やニシキゴイを失った松井治二さん(69)もその一人。元通りの生活とはいかないが「過去に災害や戦争があったように、地震だって山古志の長い歴史の一こま。また新しく始めればいい」。
 橋本監督が山古志を題材に撮った映画は2本目。「自然の恵みも災害も受け入れて暮らす人々は、災害列島で暮らす日本人の姿そのもの」と話す。
 東京都と神奈川県で公開されており、順次各地で上映予定。

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2009年10月23日のニュース