阪神・梅野「耐え切った」開幕から1カ月 一喜一憂せず守り勝つ野球けん引

[ 2024年4月26日 05:15 ]

阪神・梅野
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 阪神の梅野隆太郎捕手(32)が25日、本紙にコラム「梅ちゃん隆儀」を寄せ、開幕から好調をキープするチーム、投手陣への手応えを口にした。打線が10試合連続2得点以下と苦しんだ中でも、坂本誠志郎捕手(30)とともに投手陣を懸命にリード。目の前の結果に一喜一憂することなく、リーグ連覇に貢献していくことを宣言した。

 開幕から1カ月が経過しようとしていますが、チームとしてはいい位置につけることができています。個人としては“耐えた”とか“耐え切った”という表現の日々でした。

 報道で自分も目にしましたが2得点以下の試合が10試合続いて…その苦境をチームは大きな連敗をすることなく乗り切れました。打っていたら勝てた、打線が頑張ればもっと負けなかった…という見方ではなく、捕手としては、その期間で大きく負けなかった、守り勝つ野球ができたことを大事にしたいです。

 この先、打線がカバーしてくれて乱打戦をものにする試合も必ずありますし、打った、打たなかったで一喜一憂はしません。その心構えは自分の中でずっと大事にしていることです。0―1で負けた試合でもバッテリーとしてはやるべきことをやったと言えますし、10―9で勝った試合も打ったからいいやで終わらせてはいけません。打ったから勝ったではなく、打てなくても今のチームは勝てる。

 もちろん、そこにはピッチャーの頑張りがあります。やるべきことをみんなが淡々とやってくれた結果です。救援陣ではザキ(岩崎)とゲラが入れ替わりで9回を締めてくれて、その前にはキリ(桐敷)がいて、ピンチではシマ(島本)、カジ(加治屋)がいってくれたり。この1カ月だけでも、終盤で腹をくくった試合や、しびれる展開は数多くありましたが、そこを粘ってくれました。改めて1イニングの大切さ、その積み重ねの重要性を感じました。

 昨年までと変わらないことですが、誠志郎ともコミュニケーションを取って試合に臨んでいます。今は1カード3連戦で同じ捕手がスタメンマスクをかぶることはないので、自分がベンチで感じたことを聞いて、相手チームがどんなボールを張ってきているかを頭に入れる意味で確認したり、逆に伝えたり。情報共有は凄く大事にしています。そこにライバルとかそんな意識は当然ありませんし、自分は出た試合で全部勝つつもりです。チームが勝つために、もう一度優勝するために力を合わせるだけです。

 個人としては開幕3戦目は、昨年8月に左手を骨折して以来の公式戦スタメン出場でした。凄く緊張しましたし、チームは連敗している状況で開幕3連敗だけは絶対に阻止する、そういう強い気持ちで臨みました。先発の才木も3回の打席で右手の親指がしびれて。そこからは何(の球種)がストライク入るかな…と考えながらのリードでした。ピンチでは単調にならないように変化球でも、とにかく多く球数を使うことを意識してサインを出して。才木も6回まで粘ってゼロを並べてくれました。

 長いシーズンはまだ始まったばかり。早かったり、遅かったり、ターニングポイントはいろいろとあると思いますが、苦しかったけど“耐え切った”この開幕からのスタートが大きかったと言えるようなシーズンにしていきたいです。一喜一憂せず、チームの目の前の1勝に貢献できるようにやっていきます。
(阪神タイガース捕手)

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