日本ハム・中島 16年目でユーティリティー挑戦へ 初の一塁守備も「求められたところでやるしかない」

[ 2024年4月19日 08:15 ]

一塁守備の練習をする中島(撮影・高橋 茂夫)
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 プロ16年目の日本ハム・中島卓也内野手(33)が本紙の単独取材に応じ、ユーティリティープレーヤーに挑戦する意向を明かした。15年に遊撃でベストナインを獲得するなど二遊間を本職としてきた名手も、近年は若手の台頭で守備固めや代走での出場が多い。先週から2軍でも経験のない一塁守備にも本格挑戦し、万能内野手としてチームを支えていくことを誓った。(取材・構成 清藤 駿太)

 見慣れない光景だった。16日からのソフトバンク2連戦。試合前練習で一塁の守備位置には、一塁ミットを手にした中島がいた。

 「どこでも守れるように、谷内コーチに一塁ミットを借りた。林ヘッドにも“景色だけは見ておいて”と言われたけん」

 12日のオリックス戦だった。1―0の9回先頭で出塁した一塁手・郡司に代わって代走で出場。その裏の守備で、加藤豪が代わりに一塁守備に就いた。

 「そこで自分が一塁を守れたら良かったけど、いきなりは無理よ。一度も守っていないし、守備練習もしてない。自分が一塁も守れた方が選手の駒は少なくて済むかなと」

 今季は遊撃以外に三塁、二塁の練習も行ってきた。そして一塁。昨季まで遊撃でレギュラー再奪取を狙っていた男にとって、大きな変化だ。

 「プロでやっているからには1軍にいないと。昨年まで2軍生活が長かったけど、俺は若手で何かを鍛えるという立場ではないから。求められたところでやるしかないよね」

 近年は1軍に若手の手本となる経験者が不在だった。12、16年のリーグ優勝を知るベテランの存在は大きい。

 「最近は五十幡やほそ(細川)も聞いてくる。“どんな感じでスタートしていますか?”って。(水野)達稀もバントミスした日に聞いてきたよ。こうしたらいいんじゃない?くらいだけど。バントってむずいんよ。俺も昔、下手だったから」

 ユーティリティーは決してネガティブではない。しびれる場面での盗塁、犠打、好守は中島だからできることでもある。

 「それぞれ役割がある。試合の流れを見て何をすればいいのか、勝つためにはどうすればいいのか。ただ点が入って喜んでいてはいけない。なんで点が入ったのか、どうやって1点を守ったらいいのか。そういうのを全員が考えられるかが大事だよね」


▽日本ハム・中島が経験したポジション 最多は遊撃手で955試合に出場。15年には遊撃手としてベストナインに輝くなど、通算で守備率・982を残している。二塁手として236試合出場が次に多く、三塁手は22試合だけ。外野手としては左翼が1試合、中堅が13試合、右翼が2試合出場の経験がある。投手、捕手、一塁手での出場はここまでない。

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