広島・新井監督「誰か出てコイや!」打線は白紙 求む若手の台頭

[ 2024年1月17日 05:05 ]

<NPB12球団監督会議>会場に入る広島・新井監督(撮影・尾崎 有希)
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 広島・新井貴浩監督(46)が16日、今季もまた変幻自在に打線を組む方針を明かした。中軸を担った西川が国内フリーエージェント(FA)権を行使してオリックスへ移籍し、不透明さを増すオーダー。現状は「真っさらな状態」と強調し、「誰か出てコイや!」と若ゴイの台頭を求めた。昨季と同様に当面は柔軟、かつ大胆な采配で戦力を最大限に活用し、いずれは固定できるよう、より良い打線の形を探る意向だ。 

 新井監督はこの日、東京都内のホテルで12球団監督会議に出席。終了後、報道陣の取材に応じ、V奪還を誓う今季の打線をどう組むかに言及し、現状は白紙を強調した。

 「決めていない。秋のキャンプで若い選手が凄く頑張ったし、真っさらな状態。キャンプやオープン戦を通して見えてくると思う」

 昨季は柔軟、かつ大胆な発想でオーダー編成した。西川が故障した際の4番には菊池、上本を指名。秋山が離脱した後の3番には小園を抜てきするなど、状態を見極めて戦力を最大限に活用し、5年ぶりのAクラスとなる2位躍進につなげた。

 「今季もそうなってくると思う。シーズンに入ってもチャンスを与え、経験を積ませながら。誰が出てくるんだ?…というのが、凄く楽しみなので」

 中軸を担った西川がオリックスへFA移籍し、外野のポジションが1つ空いた。さらに指揮官は今季、故障防止にベテランや中堅のコンディションをより細かく管理すると明言する。若手に与えられるチャンスは格段に増えそうだ。

 「誰か出てコイや!誰が出てくるんだ?…という感じ。裏返すと、みんなチャンスはあるよということ」

 昨季は、伝統の機動力野球が復活。盗塁数は26個からリーグ2位の78個に急増した。それでいて得点数493はリーグ5位。上積みが求められるが、具体策については「それって皮算用になる。引き続きガンガン攻めていこうとは思っている」と話すにとどめた。

 「開幕してからもずっと競争なので、球宴前ぐらいに(打線の)輪郭が見えてきてくれたら理想。で、(勝負の)球宴後にガッといきたいな…と。そういうふうに持っていくためには、選手をどんどん、いろいろ起用していかないといけない」

 追い求めるのはリーグ3連覇当時の固定オーダーだ。激しいチーム内競争から誰が抜け出し、レギュラーとしてのし上がるのか。選手の力を最大限に引き出す、指揮官の変幻自在なタクトから今季も目が離せない。(江尾 卓也)

 ○…昨季の広島はマクブルームが不振のため、6月13日楽天戦からは西川が4番に座った。西川の故障離脱後は菊池、上本、堂林がいずれも初の4番を務めるなど日替わり打線が続き、打順パターンは117通りに及んだ。広島でシーズン7人の先発4番は13年以来10年ぶり。4番打者による本塁打は12本で、日本ハムと並んで最少だった。

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