松坂大輔氏 来年はVS女子野球のマウンドに?「イチローさんや選手の熱い思いに応えたい」

[ 2023年11月28日 05:10 ]

イチロー氏(左)とグラブタッチする松坂氏
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 スポニチ本紙評論家の松坂大輔氏(43)による月1回の連載コラム「松坂大輔の探球」。11月編はマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(50)らと一緒に出場した21日の高校野球女子選抜とのエキシビションマッチについて振り返った。

 スタンドには大勢のお客さんがいて、習志野高、東海大高輪台高の吹奏楽部が素敵な演奏で盛り上げてくれる。緊張感のある中でプレーができて本当に幸せでした。

 高校野球女子選抜は守備が良く、投手もコントロールが素晴らしかった。レベルは確実に上がっていますね。試合後、侍ジャパン女子代表監督も務める中島梨紗監督とも話をしたのですが、非常にいいチームだなと思いました。

 自分は初回に中前打も、8回に加川晴菜投手(蒼開高)の内角直球に見逃し三振。めちゃくちゃ悔しかったですね。内角に来る、と待っていたにもかかわらず、いいところに投げられて手が出なかった。

 それでも昨年は走塁ミスでイチローさんに怒られましたが、今年は無事に終わったのでホッとしました。練習時間も増やして準備をして、昨年より動けたと思います。

 イチローさんは「将来、まだ野球を続ける選手のモチベーションになれるように」と言っていました。右脚を痛めながら9回、116球を投げ抜いた熱投。言葉で発信するだけでなく、何よりその背中を見て思いは十分伝わってきました。

 実際に打席に立って対戦した相手選手たちもそうだったでしょう。改めてイチローさんの、この試合に懸ける覚悟を見た思いです。

 年に1度の対戦。自分も実際に高校1年、2年生で女子野球をやっている知り合いがいるのですが「3年生になった時に選抜チームに選ばれるよう頑張る」と目を輝かせながら言ってくれます。そう聞くと本当にうれしいです。

 女子野球は高校卒業後、大学や社会人など、まだまだ受け皿が少ない。イチローさんの取り組みを知ってくれる人が増えて、女子野球界のためにこのイベントがもっともっと大きくなれば、と心から願っています。

 来年、自分は投手としてマウンドに上がるかもしれません。しっかり準備して、試合に向けて頑張ってトレーニングをしていきたい。そうしてイチローさんや、女子野球の選手の皆さんの熱い思いに応えたいと思います。

 ≪初安打球にサインもらうも…≫松坂氏は試合後の食事会で、ある記念のボールにイチロー氏からサインをもらった。初出場した昨年の試合で打った初安打のボールで、1年間大事に保管していた。現役時代の代打でのプロ初安打、甲子園での初本塁打、メジャー初安打など「打つ方の記念球は多分一球も持っていないんです」と松坂氏。イチロー氏にはインクのあまり出ないペンを渡して笑われたといい「来年は必ず新しいマジックを買います」と誓っていた。

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