名城大・松本 MAX153キロを誇る右腕は「令和の林昌勇」になれる逸材 心待ちにするドラフトの先に…

[ 2023年8月30日 16:15 ]

MAX153キロでプロの熱視線を集める名城大・松本凌人(撮影・長嶋 久樹)
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 この迫力を出せる投手には、なかなか出会えない。名城大・松本凌人(4年)は185センチの長身をひねり、最大限にため込んだパワーを解き放つようにサイドハンドから投げ込む。唯一無二のフォーム。MAX153キロを生み出す「原点」をこう明かした。 松本投手の動画はこちら

 「上で野球をやるうえで、一番大事なのが個性。自分の場合、サイドハンドが一つの武器になると思うし、そこは伸ばしていきたい」

 オーバースローから腕を下げたのは神戸国際大付1年の冬。「バイブル」としたのは、ヤクルトの守護神として2008年から5年間で128セーブを挙げた林昌勇(2008~12年)だった。「自分の感覚を大切にしながら、ストレートの軌道とか、リリースの角度などを動画で参考にさせてもらっています」。競輪選手だった父・久さんと取り組んだスクワットなどの下半身強化は、フォーム固めの基礎になった。

 秋のドラフトへ向け、松本自身がラストスパートと位置づけた最終学年。春季リーグは2勝0敗、防御率5・35と不振を極め、チームは神宮の舞台を逃した。ただ、不調の原因は分かっている。昨冬から新球シンカーの取得に着手。リリースする時、手首を寝かせるように投げることを意識した結果、ストレートの時も手首が寝てしまい、サイド特有のホップする軌道が消え、痛打を食らった。

 「上でやるためには、絶対に覚えないといけない球種。秋までに課題を克服して、使えるようにしたい」。試練は、悲願成就の一歩目と疑わない。

 3年秋の全国ベスト4超えと、プロ入りを叶える集大成の秋。大学では、ほぼ抑え専任だった生粋のクローザーは、こう言い放つ。「野球を始めてから、プロを目指さなかったことは1日もないくらい(練習に)打ち込んできた」。鍛え上げた胸を張り、最後にこんな言葉も付け加えた。「いつかは…メジャーで投げてみたいですね」。醸し出すスケールの大きさは、壮大な夢を語るにふさわしい。

◇松本 凌人(まつもと・りょうと) 2001年12月5日、大阪府四条畷市出身、21歳。軟式チームの「畷ヒーローズ」で野球を始め、田原中では奈良中央リトルシニアに所属した。神戸国際大付1年冬にサイドスローに転向し、才能が開花。高3夏の県大会は決勝で明石商に敗れ、甲子園出場を逃した。名城大では主に抑えとして活躍。2年春、3年春秋と愛知大学野球リーグを制し、3年秋がベスト4、2、3年春がベスト8。侍ジャパンの大学代表候補にも選ばれている。持ち球はストレート、スライダー、カットボール、スプリット、シンカー、カーブ。185センチ、89キロ、右投げ右打ち。

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